(4) 著作権者に認められる権利
著作権者等に認められている権利としては、以下のものがあります。
例えば、作家が書いた原稿を勝手に編集者が改変した場合には同一性保持権の侵害の問題になりますし、著作物を無断で複製すれば複製権の侵害の問題となります。
著作人格権
(著作者の人格的利益を保護する権利。他人に譲渡できない)
- 公表権 (著作権法18条)
- 未公表の著作物を公表するかどうか等を決定する権利
- 氏名表示権 (19条)
- 著作物に著作者名を付すかどうか、付す場合に名義をどうするかを決定する権利
- 同一性保持権 (20条)
- 著作物の内容や題号を著作者の意に反して改変されない権利
著作財産権
(著作物の利用を許諾したり禁止する権利。他人に譲渡できる)
- 複製権 (21条)
- 著作物を印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製する権利
- 上演権・演奏権 (22条)
- 著作物を公に上演し、演奏する権利
- 上映権 (22条の2)
- 著作物を公に上映する権利
- 公衆送信権等 (23条)
- 著作物を公衆送信し、あるいは、公衆送信された著作物を公に伝達する権利
- 口述権 (24条)
- 著作物を口頭で公に伝える権利
- 展示権 (25条)
- 美術の著作物又は未発行の写真の著作物を原作品により公に展示する権利
- 頒布権 (26条)
- 映画の著作物を公に上映し、その複製物により頒布する権利
- 譲渡権 (26条の2)
- 映画の著作物を除く著作物をその原作品又は複製物の譲渡により公衆に提供する権利(一旦適法に譲渡された著作物のその後の譲渡には、譲渡権が及ばない)
- 貸与権 (26条の3)
- 映画の著作物を除く著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する権利
- 翻訳権・翻案権等 (27条)
- 著作物を翻訳し、編曲し、変形し、脚色し、映画化し、その他翻案する権利
- 二次的著作物の利用に関する権利 (28条)
- 翻訳物、翻案物などの二次的著作物を利用する権利
このほか、著作隣接権(実演等の利用を許諾したり禁止する権利)として、実演家の権利、レコード製作者の権利、放送事業者の権利、有線放送事業者の権利が認められています。
○ 今回のまとめ
著作権者に認められる権利には著作人格権と著作財産権があり、著作人格権は他人に譲渡できません
次回はこれまでに取り上げられなかった著作権に関するQ&Aをまとめてお送りします。