あなたの身の回りにはどれほどの複製機器やコピー用品があるでしょうか?
CD・DVD・BDレコーダーやそのディスク、USBなどの記録媒体にプリンタ、コピー機...
ざっと見まわしただけでもいくつか目に入りますが、これも利用方法によっては著作権を侵害してしまうおそれがあります。
あなたは、日常行っている行為がアウト(著作権侵害)かセーフ(私的複製)か、気になりませんか?
私的複製(著作権法30条1項)とみなされ、無断利用が許されるための基準は、「対象となる行為が、個人・家庭内など、ごく限られた範囲内で使用する『私的使用』の範囲内といえるか」です。
私的複製が問題となる代表的な行為を以下に挙げてみたので、参考にしてみてください。
■CDやDVD、BDなどの複製は?
→通常媒体ならセーフ、コピーコントロール処理された媒体ならアウト
現在一般化しているデジタル方式では、際限なくオリジナルと同品質の完全なコピーが作れてしまうので、オリジナルは大きな被害を受けることになります。
この被害を補填するために制定されたのが「私的録音録画補償金制度」です。
当制度は、デジタル方式での私的使用コピーを行う場合には、権利者に対する補償金を支払わせるというもので、機器(例:CDレコーダー)・媒体(例:CD-R、CD-RW)の価格にあらかじめ補償金を上乗せし、集めた保証金を、文化庁長官指定の団体を通じて権利者に配分する仕組みになっています。
たとえば、メーカー出荷価格が100円のCD-Rの場合、補償金額は3円です。
一方、コピーを防ぐためのコピーコントロール処理は、著作権法上、著作物を保護する「技術的保護手段」のひとつに指定されています。
したがって、この機能が施されたCD等につき、無理に機能解除をして複製すれば著作権侵害行為になります。
■映画の盗撮
→基本的にアウト
映画館で上映前に盗撮禁止のCMが流れることから考えても、映画の盗撮はいけないと認識されている方が多いと思いますが、やっぱりアウトです。
映画は、海賊版の流出による被害が重大であるため、たとえ私的利用目的であっても、著作権法上の私的複製の規定は適用しないと決められています(映画の盗撮の防止に関する法律4条1項)。
ただし、日本国内で最初の有料上映後8か月を経過した映画については、こうした縛りがなくなります(同条2項)。
え?いいの?じゃあ少し古めの映画なら盗撮してもいいんじゃないか...なんて思った方は、年間200億円にのぼるといわれる日本の映画産業の損害を考慮し、ぜひ思いとどまって欲しいと思います。