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著作権と上演・上映権2 ~「上演・上映」とは?~

 音楽や映画が著作物として保護されることはわかっていても、それを侵害しない利用方法について知る機会はあまりありません。

 前回は、著作物を無許可で利用するために必要な、(1)非営利、(2)無料、(3)無報酬という3つの条件について説明しました。
今回説明するのは、「(4)上演・演奏・上映・口述の方法を用いる」という4つ目の条件です(著作権法38条1項)。

■上演、演奏、上映、口述とは?

 上演・演奏と聞いてまず考え付くのは、演劇の舞台やライブなどでの生演奏でしょうか。
 このほか、CDなど、録音した音楽データを再生する行為も上演・演奏になります。

 上映とは、スクリーンやディスプレイ画面などに映写することです。
 映画館での上映や、集会でのDVD鑑賞がこれにあたります。

 口述というのは、朗読など口頭で伝達することを指しています。
 ただ、詩の朗読会や絵本の読み聞かせに関しては、登場人物に合わせて声色や顔の表情を変えたり、演技を加えたりといった演出がなされることが多いので、上演の枠に入る可能性が高くなります。
 実際の生活では口述の機会は少ないかもしれません。

■「公に」の意味

 これらの表現方法は、著作物を「公に」直接見せたり聞かせたりするためのものです。
 ここでいう「公に」とは「公衆=不特定多数の人」くらいの意味ですが、たとえ特定の人でも、数十人を超えるような多人数であれば公衆に含まれると考えられています。

 この基準に従えば、観客が一人もいなくても路上ライブは「公に」演奏していることになります。
 親しい友人を招いて演奏会を開く際は、友人という特定の範囲内で行うことなので、聴衆の人数が10人程度であれば「公に」とはいえません。
 しかし、これが数十人を超えるような規模なものになると「公に」演奏したとみなされます。

credit:Street Live / oisa

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