裁判員のための刑法入門
裁判員のための刑法入門に関する記事一覧
結びにかえて
これまで42回にわたってお送りしてきた「裁判員のための刑法入門」ですが、今回をもって最終回となります。 この連載では、17回目まで刑法総論とよばれる部分を説明しました。そこでは、刑法上行為とされる... 続きを読む
核テロ処罰法
42回目の今回は核テロ処罰法(放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律)を取り上げます。文字通り、核によるテロリズムの防止のために制定された法律で、2005年(平成17... 続きを読む
流通食品毒物混入防止法
41回目の今回は流通食品毒物混入防止法(流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法)を取り上げます。2008年に冷凍餃子に毒物が混入され、食べた人が中毒症状を訴えた事件がありました。それを機... 続きを読む
感染症予防法
40回目の今回は感染症予防法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)を取り上げます。新型インフルエンザについての規定も含まれており、比較的身近な法律といえます。 法律の内容としては... 続きを読む
決闘罪
39回目の今回は決闘罪を取り上げます。「決闘」という言葉を聞くと、時代劇か西部劇の世界を思い出しますが、現代の日本でも通常の刑罰とは別に罰せられています。 決闘罪について定められている「明治22年... 続きを読む
人質強要罪
38回目の今回は人質強要罪を取り上げます。 テレビドラマなどで、犯人が人質に凶器を突き付け、「こいつがどうなってもいいのか!返してほしければ、金を持って来い!」といったシーンがよく登場します。この... 続きを読む
海賊行為処罰法
37回目の今回は海賊行為処罰法を取り上げます。 「海賊」と聞くと、いつの時代の話だ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この法律が公布されたのは、今年(2009年)の6月。裁判員制度の対象... 続きを読む
交通に関する犯罪
36回目の今回は交通に関する犯罪を取り上げます。交通事故で人を死傷させた場合には、自動車運転過失致死傷罪や危険運転致死傷罪が成立しますが、それ以外にも交通に関する犯罪がいくつか存在し、裁判員制度の対... 続きを読む
組織的犯罪処罰法
35回目の今回は組織的犯罪処罰法を取り上げます。組織的犯罪処罰法は、正式名称を「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」といい、平成11年に公布された比較的新しい法律です。 この法律は... 続きを読む
武器・兵器に関する犯罪
34回目の今回は武器・兵器に関する犯罪を取り上げます。 武器・兵器と聞くと、そんな犯罪が日常的に起きているのかと考えがちですが、「銃刀法」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。... 続きを読む
薬物犯罪
今回から刑法以外の裁判員対象事件について取り上げていきます。今回は薬物犯罪を取り上げます。 今年の夏は芸能人の薬物使用問題が世間をにぎわせましたが、覚せい剤や麻薬といった薬物の不正使用は、本人や周... 続きを読む
文書偽造に関する罪
32回目の今回は、文書偽造に関する罪について説明します。 文書偽造に関する罪の中には、契約書などを偽造する私文書偽造罪、公務員などが作成する文書を偽造する公文書偽造罪、公務員に虚偽の申し立てをして... 続きを読む
通貨偽造に関する罪
31回目の今回は、通貨偽造に関する罪について説明します。 通貨偽造事件は、1万円札をカラーコピーして1枚使ったといったものから、専用の機械を使っても真券との区別がつきにくい非常に精巧なニセ札を大量... 続きを読む
飲料水に関する罪
30回目の今回は、飲料水に関する罪について説明します。この罪は、人の飲料に供する浄水または水道を汚染したり、毒物を混入することで成立する罪です。 「人の飲料に供する浄水」とは、不特定または多数の人... 続きを読む
出水及び水利に関する罪、往来を妨害する罪
29回目の今回は、出水及び水利に関する罪、往来を妨害する罪について説明します。 どちらも耳慣れない罪ですが、裁判員制度の対象となる重い罪もあります。 まず、出水及び水利に関する罪ですが、水... 続きを読む
放火罪
28回目の今回は、現住建造物等放火罪と激発物破裂による現住建造物等損壊罪について説明します。両者はともに現住建造物等を焼損・損壊することで成立する罪ですが、その方法として、火を放つか、火薬やガスなど... 続きを読む
内乱罪・外患罪
27回目の今回は、内乱罪と外患罪について説明します。 刑法の個別の罪について書かれている部分の中では、一番最初に登場する罪であり、外患罪については裁判員制度の対象ともなっていますが、戦後これらの罪... 続きを読む
強姦罪
26回目の今回は、強姦罪について説明します。裁判員制度の対象となるのは、強姦、集団強姦、強制わいせつ等致死傷です。 強姦罪の特徴は、被害者の告訴がなければ起訴することができないとされていることです... 続きを読む
誘拐罪
25回目の今回は、誘拐罪について説明します。裁判員制度の対象となるものは、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、となっています。... 続きを読む
遺棄罪
24回目の今回は、遺棄罪について説明します。裁判員制度の対象となるものは、遺棄致死罪と保護責任者遺棄致死罪の2つですが、立件されるものは保護責任者遺棄致死罪が大半です。 保護責任者遺棄致死罪は、「... 続きを読む
強盗罪(2)
23回目の今回は、強盗致死傷罪など、裁判員制度の対象となる罪について説明します。 裁判員制度の対象となるものは、強盗致死傷罪と強盗強姦罪、強盗強姦致死罪の3つです。いずれも、強盗犯人(未遂も含む)... 続きを読む
強盗罪(1)
22回目の今回は、強盗罪について説明したいと思います。 強盗罪のカテゴリーに入る罪のうち、裁判員制度の対象となるものは、強盗致死傷罪と強盗強姦罪、強盗強姦致死罪の3つです。特に、強盗致死傷罪は、裁... 続きを読む
危険運転致死傷罪
21回目の今回は、危険運転致死傷罪について説明したいと思います。 危険運転致死傷罪は、平成13年(2001年)の刑法改正で新しくできた罪です。 従来、交通事故で被害者が死傷した場合には... 続きを読む
傷害致死罪
20回目の今回は、傷害致死罪について説明したいと思います。 傷害致死罪は、「人を傷害し、よって人を死亡させた」ときに成立する罪です。加害者に殺意がなく、被害者が死亡した場合ですので、ニュースでもよ... 続きを読む
殺人罪(2)
前回は、殺人罪の「人」の部分に着目して説明しました。今回は、殺害行為について説明したいと思います。 殺害行為については、人の死を引き起こすような危険性を有するものであれば、その方法は問いません。過... 続きを読む
殺人罪(1)
第18回目の今回から、裁判員制度の対象となる罪について説明をしていきます。今回は殺人罪を取り上げます。 殺人罪は「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」というわかりやすい規... 続きを読む
その他共犯に関する話題
第17回目の今回は、これまでの記事で取り上げられなかった共犯に関する話題をまとめて取り上げたいと思います。 11回目の記事で取り上げたように、14歳未満の者が罪にあたる行為をしても罰せられることは... 続きを読む
幇助犯
第16回目の今回は、「幇助犯」について説明します。「幇助」とは、「手伝うこと」を意味し、犯罪の実行行為以外の行為によって、正犯に加担することをいいます。例えば、犯行に必要な道具を用意することなどがこ... 続きを読む
教唆犯
第15回目の今回は、「教唆犯」について説明します。前回説明したように、刑法上の共犯には、(1)共同正犯、(2)教唆犯、(3)幇助犯の3種類があり、今回説明する教唆犯は、人を唆(そそのか)して犯罪を実... 続きを読む
共同正犯
日常用語でも悪いことを一緒にしたときに「お前も共犯だ!」などと言われることがあります。刑法上は、(1)2人以上で共同して犯罪を実行した場合(共同正犯)、(2)他人をそそのかして犯罪を行わせた場合(教... 続きを読む