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子供の事故と親の責任(1)

Q.

 うちの10歳の子が同い年のお友達と遊んでるときにけんかになり、うちの子の腕の骨が折れてしまいました。普通は子供同士のけんかで済ますのでしょうが、向こうの親の態度に腹が立ち、責任を追及してやろうと思っています。怪我をさせた子の親に損害賠償請求ができますか?

A.

 加害行為をした子の親が、監督義務を怠らなかったことを証明できない場合は、その親に対し損害賠償を請求することができます。

 他人が人を怪我させた場合、怪我をさせられた者は民法709条により、怪我をさせた者に対して不法行為による損害賠償請求ができます。
 このための要件として、加害者に自己の行為の責任を弁識する能力、即ち責任能力が必要です。責任能力は、一般的に12歳ないしは13歳くらいで備わるものとされていますので、加害者が10歳である本件では、加害者に対して損害賠償請求はできません。

 もっとも、民法714条1項は、責任能力のない子の加害行為につき、子供を監督する義務のある両親等が賠償責任を負うとしており、監督義務者が監督義務を怠らなかったことを証明した場合にのみ、責任を免れるとしています。従って、このような証明のない場合は、加害行為をした子の親に対し損害賠償請求が可能です。

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