Q.
私は1年前に大金をはたいてマンションを買ったのですが、同じマンションの同じタイプの部屋が20%近くも安く売られていることを知りました。
これでは、あまりに不公平です。現在の価格との差額を返してもらうことはできないのでしょうか。
A.
確かに、不公平ともいえますね。
バブル経済の崩壊により、このような問題はあちこちで生じているようです。
しかし、マンションの価額は当事者間の合意で決定されますので、合意した以上は、原則として、差額は返してもらうことはできません。
Q.
どんな場合でも、差額は返してもらえないのですか。
A.
例外的に、裁判所は、契約の基礎となる事情が一般の予想を超えて激変し、契約当事者にその契約の履行を要求することが過酷であると認められるに至った場合には、信義誠実の原則に照らして契約を解除することができる、としています。
しかし、20%近く安く売られているとしても、上に述べた事情の変更に該当すると判断するのは困難です。
もっとも、契約後、引渡しや登記を受ける前にマンションが安売りされたような場合には、価格について錯誤があったとして安売りの価格に変更してくれるよう請求する余地はあると思います。
