想うままに ー弁護士日誌から
備忘録を紐解くと、過去の記憶がよみがえる- 印象的だった事件や依頼者、あるいは弁護士という仕事について、思いのままに綴ります
想うままに ー弁護士日誌からに関する記事一覧
死刑廃止日弁連宣言
日本弁護士連合会は、10月7日に開催された人権擁護大会で、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を出しました。 この宣言については、世論調査においてはいまだに死刑存続派が多数ではな... 続きを読む
選挙
東京都都知事に、初めての女性知事として、小池百合子氏が就任することとなった。その良し悪しは別として、暗黙の了解事項であったと思われる、事前の自民党本部や自民都連への出馬希望を伝えなかったことは、事前... 続きを読む
花押と自筆遺言証書
民法968条は、遺言者がその本文、日付、氏名を自書した上で、押印して作成する方式の自筆遺言証書を認めている。 このように厳格な方式が定められているのだが、遺言は遺言書を作成した人が死亡して初めて効... 続きを読む
実名報道
最寄りの駅近くにある喫茶店は、週刊新潮と週刊文春を置いてあるので、毎週土曜日に、コーヒーを飲みながら読むことにしている。 週刊新潮6月30日号は、犯行時に加害者が少年であった石巻殺人事件で、元少年... 続きを読む
生前退位
天皇陛下が、生前退位の意向を、宮内庁関係者にお話しされたとの報道がなされた。その結果、皇室典範の改正といった問題が浮かび上がっている。 かつては、司法試験の短答式試験の憲法で、皇室典範からの出題も... 続きを読む
家庭内暴力
当番弁護士だったか、国選弁護人であったのか、はっきりとは覚えていないが、何かの事件で(暴力沙汰だったと思う)執行猶予判決をもらったことがある。暴力団構成員ではなかったが、それに近しい人だったと思う。... 続きを読む
司法書士の業務範囲
地裁判決は司法書士の業務範囲内、高裁判決はその範囲外として、最高裁の判断が注目されていた判決が、6月27日にあった。 この問題は、本来的に弁護士の業務であった法律事務について、司法書士法3条1項6... 続きを読む
相続と刀剣類
ある天気がよい日に、自宅近くの商店街をぶらついていたら、今まで気が付かなかったのであるが、刀剣を販売している店舗があった。 日本刀とは本当に不思議なもので、思わず魅入られてしまい、それを使ってみた... 続きを読む
代紋入りベルト
古い記録を整理していたら、B5版縦書きの弁論要旨が出てきた。裁判所への提出書類が現在のA4版横書きとなったのはかなり前のことであるから、この記録は私が弁護士になって間もないころの事件である。殺人未遂... 続きを読む
パロディ商品と商標
「フランク三浦」の商標をめぐる問題(高級時計フランクミューラーのパロディ商標)について、知的財産高等裁判所が、特許庁がした商標登録無効審判を無効とした。 商標の類似性やデザインの類似性をめぐる問題... 続きを読む
執行猶予判決
6月1日の新聞各紙は、1面といわゆる3面において、元プロ野球有名選手の覚せい剤事犯についての、東京地裁判決を大きく扱っていた。 有罪は当然のことであるし、過去の例からして執行猶予も100パーセント... 続きを読む
定年後再雇用と賃金
5月13日に、東京地方裁判所は、運送会社を定年退職した後、同会社に再雇用された男性社員が、正社員との賃金格差は違法であるとして、正社員との賃金差額の支払いを求めた事件で、仕事の内容は正社員と同じであ... 続きを読む
島か岩か
先日、沖ノ鳥島について、中国、韓国のみならず、台湾もそれは「島」ではなく「岩」であると主張しているとの報道があった(その後台湾は主張を撤回)。「島」とか「岩」とかはどのような基準で決せられるのかまっ... 続きを読む
児童買春法
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」、略称、児童買春法は、18歳未満の者に対して性行等をすることを禁止している。 先日、千葉県にある児童自立支援施設を退... 続きを読む
コンプライアンス
企業のコンプライアンス(法令遵守)やコーポレートガバナンス(企業統治)が声高に言われるようになって久しいが、企業の法令遵守に関係した事件などを今回は紹介する。 ある小売企業で社員による横領事件が発... 続きを読む
裏カジノ事件
バトミントン選手による裏カジノ事件で思い出した事件がある。 まだ、弁護士になって間もない時期だったような記憶であり、どこからかの紹介で、ある繁華街で裏カジノを経営していた男性が賭博開帳図利罪で逮捕... 続きを読む
会社による懲戒処分
スポーツ選手の不祥事が続いている。日本バトミントン協会は、闇カジノ店に出入りしていた元オリンピック代表選手Aについて無期限の協会登録抹消処分、リオオリンピックでのメダル候補選手Bについて無期限の試合... 続きを読む
刑事裁判に思うこと2
3月20日の産経新聞であったと思うが、刑事事件についての即決裁判手続に関する記事が出ていた。そんな制度があったなと思いだすほど知名度の低い制度であるが、新聞はそのことを指摘している。ほとんど活用され... 続きを読む
刑事裁判に思うこと1
刑事裁判は、被告人が有罪であるか無罪であるかを決する場であるが、多くの刑事裁判にあっては、有罪であることを前提に、執行猶予を付することができるか、そうでなくとも、いかなる程度の刑を言い渡されるかがメ... 続きを読む
保釈
今回は保釈のことを書こうと思う。 本題に入る前に、ちょっと触れておくと、元プロ野球選手の覚せい剤事件で3月17日に保釈決定がなされた。同月15日に使用罪で起訴され、16日に弁護人が保釈請求をなし、... 続きを読む
生活保護とパチンコ
大分県の別府市と中津市が、生活保護を受給している人について、支給開始に際して、パチンコ店に立ち入らないとする誓約書を提出させ、それにもかかわらずパチンコをした受給者に対する給付の一部停止をしていたこ... 続きを読む
名ばかりの中立機関
ある労働事件があった。 関東の某県にあり大型トラックが出入りするその会社は、かなりの広さを持った道路に面していた。接道幅は15メートルほどもあっただろうか。一番奥に事務所などがあり、手前にトラック... 続きを読む
GPS捜査とマスコミ報道
前にGPS捜査について書いたが、3月2日に大阪高等裁判所の判断が出された。 もともと、私は、マスコミ報道をあまり信用していないのであるが、この大阪高等裁判所の判断に対するマスコミ報道はあまりにもひ... 続きを読む
強制起訴
東京電力の原発事故に関係して、その元会長らが検察審査会の起訴決議を経て、指定弁護士により起訴されることとなった。検察審査会法は平成16年に改正されたのだが、それまでの検察審査会による議決には、起訴相... 続きを読む
覚せい剤
元プロ野球選手の有名人が覚せい剤事犯で逮捕されたが、覚せい剤所持の現行犯で逮捕される瞬間を一度だけ目撃した、というかその場に立ち会ったことがある。 ある会社を紹介され相談を受けたのだが、事務所に来... 続きを読む
弁護士のお仕事
前回、ある女流作家のことを契機に責任能力のことを書いた。今回も、その女流作家の小説からの話である。 小説の内容をそのまま引用すると、「現代、公事宿に相当する弁護士は、依頼人の事件をできるだけ簡略に... 続きを読む
責任能力
以前に紹介したことのある女流時代小説作家の宇江佐真理氏が死亡した。残念なことである。 彼女以外にも、私の好きな女流作家がいる。京都を舞台にした時代小説が多いのだが、時代考証がしっかりとしており、な... 続きを読む
再度ユニオンについて
だいぶ前に労働問題に関してユニオンのことを書いたが、さらに思い出したことがあるので、再々度書きたい。 そもそも、ユニオンは、個別の労働問題を扱う組織であるから、団体交渉と称して、実際には法律事務を... 続きを読む
自由心証主義
刑事訴訟法318条は、「証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。」とし、いわゆる自由心証主義を規定している。 つまり、ある証拠の証明力が高ければ高いほど、刑事訴訟で要求されている「合理的な疑い... 続きを読む
通信傍受
再度東京でオリンピックが開催されることや、世界的にテロ事件が発生していることからして、組織犯罪などに対する通信傍受が問題となっている。 今回はその通信傍受のことである。 警察の活動は、大きく分け... 続きを読む