- どんな事件でしたか:
車両荒らしにあった際に、中においてあったスペアキー(グローブボックスやトランクなどは開かないもので、駐車場にキーごと預けるときなどに使うもの)を取られたが、この車には盗難防止装置がついているため、キーを取り替えるには、ドアの鍵セットのみならず、エンジン始動装置まで取り替える必要があり、その費用が車両保険の対象かどうかについて争った。
- 争点は何でしたか:
被告保険会社は、車両保険は物保険だから、その費用までは出ない、との見解で、私は、車両保険は元の状態に戻す費用を担保するものであり、盗まれたキーが存在する蓋然性が高い以上、キーセットごと取り替えなければ元の状態に戻ったとはいえず、更には、車ごと盗難という2次被害も予想されるため、この費用は保険の対象である、との主張だった。
- 裁判所の判断はどうでしたか:
- 最初、簡易裁判所に申し立てたところ、手に余る事件だったらしく地裁に移送。
私が勝訴になると、保険約款全体それも、保険会社全てに影響が及ぶことになるため、裁判官も相当困っていたようす。
私の主張は、個人的にはよく理解できる、と裁判官も相手の弁護士もいっていたが、地裁では敗訴。控訴審では、結局、私の主張金額の全額プラス利子を、保険会社が私に払い、私が控訴を取り下げる、つまり、実質的にはお金は取れたが、地裁の判断という結論は生きた、という形。 - あなたは、その結末についてどう思いますか:
なかなか、判決はでないものだなあ、と思った。
高裁の裁判官は、なんとか和解して欲しくて、再三、被告保険会社に、なんとか費用を払うことはできないのか、交渉していた。