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同性婚 2 ~世界の対応...同性婚や結婚類似の制度とは?~

 前回、同性カップルは結婚ができないことから、一般の夫婦よりも生活上不利になる場面があるという話をしました。

 中には、パートナーとせめて「家族」になるために、成人間の養子縁組制度を利用して親子関係になる同性カップルもいます(民法792条)。
 実質上、養子縁組の条件は、年長者が養親になることくらいと緩やかですし、養親ができても、養子となる人物と血縁上の親との関係が切れることはありませんので、比較的軽い負担で相続や社会保障に関する権利を得られるからです。
 しかし、こうした使い方は養子縁組制度の趣旨を逸脱していますので、他の親族から養子縁組の無効確認を求めて訴えられたら関係を解消させられてしまうおそれもあり、不安定と言わざるを得ません(同802条1項)。
 こうした背景もあり、日本でも同性婚を求める声が高まっているのでしょう。

 さて、この問題に対し、世界ではどのような対応がなされているのでしょうか?

■同性婚を認めている国

 結婚に関する法を改正し、性別の限定を取り払った国々です。
 同性カップルも異性カップルも同じように結婚できます。
 オランダ、スペイン、カナダ、南アフリカ共和国、ノルウェー、アルゼンチン、アメリカの一部の州など、世界10か国余りがこの制度を採用しています。

■同性カップル専用の別制度を作った国

 結婚は異性間でしか認められませんが、それとは別に、同性カップルだけを対象とした結婚に準ずる新制度を作った国があります。
 代表的なものは以下の通りです。

 まず、デンマークなど北欧諸国で適用されている「登録パートナーシップ法(制度)」。
 ここでは、同性のカップルがパートナーであることを法的に登録することで、お互いの財産や遺産、扶養に関して結婚類似の権利が得られます。
 2009年からは、これを結んだ2人が片方のパートナーの子どもについて養子縁組をすることも可能になりました。

 次は、ドイツの「生活パートナー関係法」。
 これも同性カップルにも法的な認証を与え、一定領域で結婚類似の権利を与えるものではありますが、まだ税金や年金、養子の面では既婚の異性カップルと隔たりがあります。

 最後は、歌手のエルトン・ジョンが制度利用者となったことで注目を浴びた、イギリスの「シビル・パートナーシップ法」。
 こちらは、雇用、相続、年金、養子などにおいて、既婚者と同じ権利を得ることができます。
 結婚している異性夫婦と変わりのない権利が認められているため、実質上の同性婚という見方もされています。

 次回以降は、同性カップルだけでなく異性カップルも利用できる制度をつくっている国や、日本人が海外でこのような同性パートナー制度を利用する場合はどうなるの?という話をしたいと思います。

credit:CarbonNYC via photopin cc

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