同性カップルにも法的認証を与えるべく、世界では同性婚をはじめとする種々の制度が設けられています。
前回は、「同性婚を認める国」や「同性カップル専用にパートナー制度を作った国」を取り上げましたが、今回はそれ以外の制度を紹介しましょう。
■共同生活に対する合意を法的に承認する国(同性カップルも異性カップルも利用可能)
性別に関係なく、成人したカップルが互いに安定した共同生活を送れるように、「結婚によって生じる権利義務を、自分たちも引き受ける」という約束を交わし、登録したカップルには、結婚したカップルと同等の権利を認めるというものです。
有名なものにフランスの「パックス」があります。
パックスは元来、同性カップルの法的保護を目的として作られたものです。
しかし、制度の対象を同性カップルに絞っていないうえ、普通の結婚よりも契約・解消の双方において手続等が簡単という点が、異性カップルの心をつかんでいます。
現在では、総計10万件以上のパックス契約のうち9割以上を異性カップルが占めているともいわれています。
■家族法以外の分野で同性カップルの関係性を保障する国
これまで見てきたような、カップルの権利義務を一括で保障するような制度を作るのではなく、税金や社会保障、相続などに関する法律をひとつひとつ改正したり、裁判例や行政命令を重ねることで、同性カップルの権利保護を既婚の異性カップルに近づけようとする国もあります。
たとえば、イスラエルやハンガリー、オーストリアなどはこのタイプです。
次回は、
- 日本人が、外国人パートナーと、外国で同性婚をすることは可能か?
- 外国で同性婚をしたとして、日本の戸籍上はどういう扱いを受けるのか?
という2つの問題を取り上げます。