最近子供が入院することになり、お金に困っています。そこでサラ金業者からお金を借りようとしたのですが、利率が年利39%だというのです。そこで友達に相談したところ、利息について規制する法律があると聞いたのですが、どのような法律なのでしょうか
利息について規制する法律には、利息制限法があります。
この法律は、お金の貸し借りをする上で、有効な利率の範囲を定めています。その内容としては、元本が10万円未満の場合は、年2割、元本が10万円以上100万円未満の場合は年1割8分、元本が100万円以上の場合は年1割5分の範囲で有効な利率となると定めています(利息制限法1条)。つまり、この制限を超える利率を定めても制限を超える部分については無効となることを定めているのです。
でもそれをサラ金業者に伝えても相手にされず、相変わらず年利39%でお金を貸そうとしてきます。なぜ、このようなことができるのですか。
確かに、利息制限法の規定は利率について制限をしていますが、この利率制限の違反については罰則の規定がありません。
これに対し、同じく金利について規制をしている出資法では、利息が40.004%を超える場合に罰則を定めています。
そこで、貸金業者は、裁判になれば利息制限法により敗訴する危険があるにもかかわらず、罰則を適用されない40.004%までの利率をもってお金を貸そうとしているのです。
平成12年の法律改正で、出資法の上限金利が年40.004パーセントから年29.2パーセントに引き下げられました。
利息制限法では1条2項、4条2項で利息制限法の制限を超える利息を任意に支払ったときは、その返還を請求できないと規定しています。
もっとも、裁判所の判断では借主の救済のため制限を超える利息を支払った場合は、元本に充当されるとしています。つまり、あなたが100万円借りているとしたら、支払ってしまった制限を超える利息は、あなたの借りた100万円の返済に充てられるのです。
この場合借金の整理を弁護士に依頼して業者と今後の返済について交渉してもらうのがよい方法といえるでしょう。
さらに裁判所は、元本を完全に支払ってしまった場合は、返還を請求できるとしています。つまり、先の例で元本に充当して100万円を満たすまで支払ってしまっていた場合は、それ以上に支払った利息制限法の規制を超える利息の返還を請求できるのです。
したがって、あなたも制限を超える利息の元本への充当により、元本が完済される場合は、サラ金業者に対して、既に支払ってしまった利息制限法の制限を超える利息を請求できます。
もっとも、以上の点については、貸金業法との関係で注意が必要です。同法43条は、貸金業者が営業として行った金銭の貸し借りについては、利息制限法の制限利息を超えた部分についても借主が利息として任意に支払った場合には有効であると規定しています。したがって、場合によっては高い金利も有効となり、返還請求できないことがあります。