「うちの人事制度は、ちっともわからん、今年の考課もようわからんかった」という感想が社員の多くの方から聞こえてきたとすれば、それは、人事制度だけが宙に浮いたもので、会社の方針や戦略とつながらずに、結果として業績向上にもつながらないということになります。
経営戦略や経営方針にもとづいた具体的な行動を考える上で、「目標」を決めることも重要になります。全社目標は、部目標、課目標、店舗目標、チーム目標、個人目標へとおりていきます。目標は、下部にいくほどより具体的になります。全社目標に照らして、各目標が一貫性、整合性を保ちつつ、各自が意欲を持って目標設定に参画し、達成目標を自主管理し、自己成長(啓発)を遂げていく必要があります。「下部目標の総和が上部目標」になるように、そして、目標は「上下」だけでなく「左右」にも連関するように考えることが大切です。
戦略にもとづいて、目標を決め、会社が求める成果とその成果にむすびつく行動を従業員にとってもらうことにより業績が向上します。
- 「わが社に求める成果・業績や成果に結びつく行動とは何か」
- 「職種による会社の貢献の仕方」
- 「何と何を実現すべきか」「どの程度実現すべきか」
ということをマネジメント側が理解してこそ、従業員の育成や評価に連動していくのです。成果主義人事の導入は、非常に難しいように感じますが、そうではありません。結局先ほどの3つのことを評価する仕組みを確立すれば、気になる給与制度や賞与制度は、評価結果に対してどの程度の金額にするかを決めるだけのことなのです。
大切なことは、評価結果をフィードバックして、能力開発していくというサイクルでまわしていくことで、次なる戦略へ向かうための企業力を高めていくということなのです。
労使共に「人材」から「人財」に変わることを望む時代ですね。「エンプロイアビリティー」とは、「雇われうる能力」のことです。もたれあいの労使関係ではなく、自立して、企業という社会のルールのもと、労使ともに納得していける人事・賃金制度作りのお手伝いを私共はいたします。