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現場第一主義 (3)

 こんにちは、NPCの東川です。

 今回は私のお客様の話ではありません。訪問先で聞く話や、また近ごろのニュースを見て取り上げたいと思ったのが、基本中の基本、「どこから借りるか、借りられるか」というテーマです。

 さて、お金を貸してくれるところをリストアップしてみましょう。

1/取引銀行
あなたの会社の担当者がいる銀行。
単に口座を置いているだけの銀行とは違います。
2/制度融資
信用保証協会付融資や国民生活金融公庫など。
他と比べると低利で、無担保・無保証で借りられる場合も多いですね。
3/大手銀行の中小企業向け融資商品
最近増えてきました。1よりも金利は少し高め。
4/ノンバンク
3と同じくらいか、もう少し高めに設定しているところが多いようです。
5/商工ローン
決済は早いのですが、1?4より金利がグッと高めです。
6/ヤミ金融
無届の業者で、法定金利より高い金利のところがほとんどです。

 「借金で一家離散」「借金苦で自殺」といった、つらいニュースが流れています。最悪の事態まで考えるほど追いつめられているのは、たいてい6のヤミ金融から借りている場合。違法業者なので、どれほど困っていようと、こういうところに行ってはいけません。

 さて、1?4の金利は、どんなに高くてもせいぜい10%程度まで。もっと高い業者もあるかもしれませんが、たいていのところでは1桁の金利です。

 ただし、5の商工ローン、ここになると金利は一気に2桁、だいたい15?29%程度でしょうか。しかし商工ローンから借りている人も多い。なぜでしょう。

1/取引銀行がないから
金融機関は「貸すからこそ儲かる」。
とくに信金・信組などだと、「ここは大丈夫、返済してくれる」と思った取引先に対し、「ぜひ借りてほしい」というラブコールもあるほどです。金融機関とのおつきあい、ホントに大切なんですよ。
2/他の借入先を知らないから
商工ローン以外に、上記の1?4という安い金利の借入先があるのですが、とくに2などは、意外と知られていないんですね。
3/税金を払っていないから
商工ローンでは納税証明書は求められませんが、1?4から借り入れようと思えば、かならず納税証明書の提出を求められます。しかし!納税していない(申告していない)事業者、延滞している事業者には、ぜったいに貸してくれません。当たり前ですね。
4/せっぱつまっているから
×× 日にいくら入金があるから、それで××日のいくらの支払いに充てて...といったお金の流れを見ておかないと、「急にお金がいる」という事態になります。ホントは急でも何でもない、その日の支払いは前から決まっていることなのですが。そして、そんな「急な事態」に素早く対応できるのが商工ローン。1?4では、申請から実際の振込まで1ヶ月程度かかります。
5/1?4からは断られたから
あちこちから借りまくっていて、1?4からすべて断られ、5に来るパターン。これも意外と多いケースです。ここまできたら...どうしようもないですね。打つ手がありません。

結論 「できれば1?4で止めておこう。そして、その方策は難しくない」

 私は商工ローンを否定しません。しかし、それは"つなぎ"などで、短期で借りる場合のみです。期間は、せいぜい3ヶ月まで。

 ちょっと考えてみればわかることです。今どき、年利で2割も3割も利潤を生む事業はなかなかありません。ということは、年利で2割も3割もつくような借金は返せないのです。

 上に記したように、

  • 取引銀行を作りましょう、担当者と仲良くしましょう
  • 「?」と思うところから借りる場合は"その前に"(←後に相談されてもどうしようもありません)周りいる誰かに相談しましょう
  • 税金はきちんと払いましょう
  • キャッシュフローはきちんと把握しましょう

といったことは、私が今まで何度も、お客様やセミナーに来られた方に申し上げてきたことです。難しく複雑で、高度なことではない。いわば、経営の基本。

 ヤミ金融は論外です。でも商工ローンに行く前にも、どうか周りの誰か、金融に詳しい人に相談してください。たとえば私なら、なんとか商工ローン以外の方策を考えます。よしんば商工ローンしか道がないという結論に達しても、ではどのように素早く返済していけるのか、経営者の方と一緒になって考えます。

 一つの事業を立ち上げたら、あなたは経営者。本業以外の作業もいろいろあることを、どうかお忘れなく

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