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新聞の勧誘に関するトラブル

Q.

 新聞の勧誘員がやってきて、「いま契約すれば洗剤やビール券をサービスするし、6か月分の新聞は無料で配達する」と言われ、ついその気になって購読契約をしてしまいました。夫の帰宅後、相談したところ、やはり購読をやめたいと思います。クーリングオフはできますか?

A.

 新聞の訪問販売は、特定商取引に関する法律によって規制され、契約内容を明らかにする書面を受け取ってから8日以内であれば、無条件で申込の撤回(クーリングオフ)をすることができます(同法9条)。

 これに加え、新聞勧誘の際の景品競争が加熱し、公正な競争を阻害することを防止するため、新聞社によって構成される新聞公正取引協議会が「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約(新聞公正競争規約)」という自主規制を作成しています。
 これによると、景品の範囲を「取引価額の100分の8又は6か月分の購読料金の100分の8のいずれか低い金額までの範囲」と定めるとともに(同規約3条)、新聞の無償提供についても、

  1. 新たに契約を締結した者に対し、購読を開始する月の前月末において、無償で提供する場合(予約紙)
  2. 契約を満了する者に対し、満了する月の翌月初において、無償で提供する場合(おとり紙)
  3. 試読に供されるものであって、新聞業における正常な商慣習に照らして適当と認められる範囲で無償で提供する場合(試供紙)

に限られ、長期の無償提供は認められていません(同規約5条)。
 そして、協議会がこの規約に違反する事実があると認めたときは、違反者に対して、

  1. 違反行為の停止又は撤回
  2. 実害補償又は復元
  3. 謝罪及び広告
  4. 違約金の支払い(違約金の最高限度は200万円)
  5. その他必要な措置をとることができる

としています(同規約8条)。

 したがって、契約内容を明らかにする書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリングオフの手続を、その期限を超えた場合で、上のような事情がある場合には、新聞公正取引協議会やその地方支部、最寄りの消費生活センターなどに相談されてみてはいかがでしょうか。

 また、勧誘の手段が詐欺的であったり、脅迫的であった場合には、詐欺や強迫を理由に契約を取り消すことも可能です(民法96条1項)。

Q.

 契約期間5年で契約したのですが、3か月後に紙面が気に入らず解約しようと販売店に申し出たところ、まだ契約期間が残っているので解約できないと言われました。本当に解約できないのでしょうか?

A.

 このケースのように、クーリングオフの期限を過ぎてしまった場合、原則として一方的な契約の解約はできず、販売店との交渉次第ということになります。
 ただ、契約締結の際に勧誘員に印鑑を渡したところ、本人の知らぬ間に契約期間を5年にしたような場合にはそもそも有効な契約として成立していませんから、その旨を主張して解約することも可能と思われます。販売店に直接主張してもうまく行かない場合には、新聞公正取引協議会やその地方支部、最寄りの消費生活センター、新聞セールス近代化センター(TEL 03-3575-0801)などに相談されることをおすすめします。

 このようなトラブルを未然に防ぐためには、契約締結の際に契約書面をよく読み、受け取った書面や控えをきちんと保管しておくことが大切です。また、期限の定めのない契約としておけば、解約したい時に自由に解約することが可能です。

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