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協議分割

Q.

 父親が先日死亡したのですが、遺言をしておりませんでした。そこで、相続人である私の姉と私の母と異母兄弟である兄と私の4名の協議により遺産の分割をしようと思います。

 父の遺産は土地、家屋等不動産が多く、法定相続分通りにきっちりと分割することは困難です。そこで、遺産の分割を協議により自由に決めてもよいのでしょうか。

A.

 民法906条はあらゆる事柄を考慮して自由に遺産分割ができる旨定めています。従って、遺産分割協議で合意があり、協議が整えば遺産を自由に分割することができます。

 例えば、相続税を支払うために一旦全ての遺産をお金に変えてから分割したり、家屋はお母さんに、農地はあなたに、貯金はお姉さんに、土地はお兄さんに、というような取り決めもできます。

 したがって、協議により自由に遺産分割をすることができます。

Q.

 異母兄弟の兄とは以前から不仲で、遺産の分割協議でも口論になるに違いありません。そこで、その兄の参加なしに分割協議をすることはできますか。

A.

 協議による遺産の分割は、相続人全員が参加することが必要です。

 お兄さんを無視して協議を行っても、その協議は無効となります。

 したがって、協議にはお兄さんに参加してもらわなければなりません。

 協議が成立しないときは、家庭裁判所に調停、審判を求めればよいのです(907条2項)。

Q.

 全員が参加しなければ分割協議はできないということですが、みんな忙しそうでとても全員が集まる日を設けることができません。そこで、私が原案を作成して全員に承認してもらっても、分割協議は成立するのでしょうか。

A.

 遺産分割協議は、相続人全員が一堂に会さなければできないというわけではありません。一部の相続人で分割案を作成し、それに他の相続人が順次押印する形でも問題ありません。ただし、そのような持ち回りによる遺産分割協議の場合、送付した協議案が紛失・破損したり、分割案の中身について十分に理解しないままに押印を迫るようなケースも少なくなく、後日トラブルに発展するおそれがあるため、注意が必要です。

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