Q.
親のすねをかじっているA君。父親から毎月10万円を「借りた」ことにし、遊興費に使っています。しばらくは返せる見込みがなく、父親も返ってくるとは思っていません。この場合、税金はかかるのでしょうか。
A.
親と子、祖父母と孫など特殊関係のある人の相互間における金銭の貸借は、その貸借が、借入金の返済能力や返済状況などからみて真に金銭の貸借であると認められる場合には、借入金そのものは贈与にはなりません。
しかし、その借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は、贈与として取り扱われる場合があります(相続税法9条、相続税基本通達9-10)。
なお、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や「出世払い」というような貸借の場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われます。
また、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者の間で生活費や教育費に充てるため取得した財産は贈与税の対象となりません(相続税法21条の3)。
A君の場合には、お金を「借りた」ことにしていますが、実質的には贈与といえるでしょう。そして、使途も遊興費ですから、贈与税の対象となります。贈与税の非課税枠は年間110万円ですので、他の人からの贈与も含めて年間110万円を超えた場合には、その超えた金額について贈与税がかかります。
仮に、A君が父親以外からは贈与を受けていなかった場合、課税価格は120万円-110万円=10万円となります。課税価格が10万円の場合の税率は10%ですので、A君は1万円を納税しなければならないことになります。