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公開質問状に対するNHK労連からの回答

 2004年11月30日、「法、納得!どっとこむ」を運営するNPO法人リーガルセキュリティ倶楽部より、日本放送協会(NHK)およびNHK関連労働組合連合会(NHK労連)へ読者の皆さまからのご意見とともに「公開質問状」を送付いたしました。
 これに対し、2004年12月15日、NHK労連より回答をいただきましたので、ご報告を兼ねて以下に掲載いたします(読みやすいように、質問項目を挿入しています。原文については、下のリンクからご覧ください)。


 

2004年12月15日

 

「受信料問題に関する公開質問」への回答

 

NHK関連労働組合連合会
議長 新田 豊作

 

 NHK関連労働組合連合会(略称・NHK労連)は、NHKとNHK関連団体の労働組合の連合体で、組合員は12,300名が参加しています。
 ご質問は多岐にわたり、私たちのなかで検討・議論が不十分な部分もありますが、できるだけ率直にお答えしたいと思いますが、まず一連の不祥事に関して申し上げます。

 7月20日にNHK経営が、記者会見で「プロデューサーの番組経費着服事件」を発表してから、一連の不祥事の発覚が続き、4カ月を超えてしまいました。そして12月4日には詐欺容疑で逮捕されるに至りました。この間、多くの視聴者からNHK受信料の不払い、契約拒否などが続いています。NHKに働くものとして本当に申し訳なく、お詫びするとともに、再発防止と信頼回復にむけて、労働組合としても努力していきます。

 項目別にお答えする前に、現在の思いやNHKグループで働くものとしての基本的な考え方を述べさせていただきます。

 受信料で運営されるNHK。その受信料制度は、放送法第32条で、NHKの放送を受信することのできる受信設備の設置者に受信契約の締結を義務づけていますが、支払い義務を規定していません。そして罰則などの制裁措置がありません。この部分に大きな意義があると考えています。今日、有料CATVや衛星放送、インターネットでの放送サービスまで出現している多チャンネル時代に、「違反に対してなんの拘束力のない法律ではないか」ということになるのでしょうが、だからこそ、受信料制度は視聴者の理解と支持によってのみ支えられる制度だと言えるのです。諸外国の受信料制度と比べて大きな特色であり、国家から独立した言論・報道機関であり、視聴者を基盤とする公共放送の料金システムとしてふさわしいものだと考えています。私たちは、受信料制度を公共放送・NHKを支える財政基盤として、ベストではないがベターだと考えています。
 こうした土台=受信料制度に支えられているNHKですが、多チャンネル時代に入り、視聴者の対価意識が強くなってきている時代の流れのなかで、また、NHKの役割の希薄化が云々されているなかで、NHKの存在意義を明確にすることが問われていると考えています。
 1990年代以後、「規制改革」「構造改革」などさまざまな改革が叫ばれ、既存のシステムの改変が実行されてきました。規制が社会の発展を遅らせ、税の無駄遣いを生み出し、人々の自律意識までも鈍らせてきたという主張の全てを否定するものではありません。しかし、「構造改革」や「規制改革」をかかげる政策展開は、市場での競争こそが良いものを生み出し、強いものだけが生き残れという路線と感じられてなりません。
 こうした時代の流れのなかで、一律の受信料で一人一人の受信者に支えられるNHKが、公共放送としてその役割をきちんと果たすことこそがその存在意義を示すときだと考えます。儲け主義でなく、センセーショナリズムでなく、そして受信料により財政的に独立を保障されていることで、「権力の番犬」の役割を果たすジャーナリズムとしての公共放送NHKが存在し、「働かねばならない」と考えています。放送法はその目的として、放送は「公共の福祉のために」あり、「健全な発達を図る」こととしています。そして「不偏不党、真実及び自律を保障することで、表現の自由を確保すること」、第三に「健全な民主主義の発達に資する」ことを明記しています。法律に「民主主義」云々が記述されているのは、他にないと聞きます。
 そのうえでNHKには「あまねく日本全国において受信できるよう豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行う(後略)」ようその目的を明確に規定しています。このことから私たちはこの変化の激しい時代のなかで、NHKが基盤としているすべての視聴者の立場に立って、放送でその役割を果たしていくことがその存在理由だと考えています。
 公共放送NHKと受信料制度についての考え方が、情緒的、あるいは理想的すぎると思われるかもしれませんが、放送は文化であり、民主主義の根幹にかかわる表現の自由の問題であります。ここに立脚するからこそ思想も志も高く持たなければならないことをご理解ください。
 では、今のNHKはその役割を果たしているのかと問われると、即座に「Yes」とは応えられないのも私の正直な思いです。
 今回の一連の不祥事に対する視聴者のみなさんからの怒り、不信、また再生への励ましのなかに「はい」と応えられるようになるための課題がはっきりと見られます。

 第一は、受信料は視聴者の「信頼」のうえにたって支払われていることを、NHK経営とNHKで働く全ての者が再認識しなければなりません。改めて「公金」意識を徹底させるのは当然のことで、そのために、NHK職員の一人ひとりが受信料制度を視聴者のみなさんにしっかりと語れるように学習・議論し、身につけなければなりません。
 第二は、NHKは視聴者のみなさんに真正面に向き合って事業を展開していかなければなりません。公共放送NHKが視聴者によって支えられていることを改めて重く認識し、視聴者に向かって開かれていかなければなりません。
 第三は、NHKの中が風通しの良い、自由にものが言える場にしなければなりません。そのために労働組合は、視聴者の側に立ち、民主主義が失われないように、これまで以上にしっかりと物を言っていかなければなりません。

 

質問1. 6,600人あまりの投票者の約半数が受信料を支払っておらず、また9割以上が受信料制度に納得がいかないと回答した結果(別紙資料参照)について、率直なご感想とご意見をお聞かせください。

 9割以上の方が「納得がいかない」と回答されたことに、率直に言って大変驚いています。「納得している」人が9%に留まっていることに関して、これまでNHKが取りくんできた受信料制度の理解・促進活動がまったく不十分であったということになります。公共放送の財源確保というのは、「お金が確保されれば良し」とされるのではなく、視聴者の皆さんに納得して払っていただけることが重要であると考えます。
 私たち労働組合もさまざまな場で、「NHKとは」「受信料制度とは」を説明してきましたが、アンケートの内容を踏まえて、取り組みの再構築をしなければならないと考えさせられました。

 

質問2. 実際に視聴していなくても受信機を設置しているだけで、日本放送協会と受信契約を締結する義務を負わせている放送法32条の規定について、選択の自由を奪われているとの意見が多く寄せられました。この点について、視聴時間に応じた課金(従量課金)やペイパービュー方式の導入の是非についてご意見をお聞かせください。

 公共放送・NHKを支える財政基盤としての受信料制度は、情報発信者であるNHKと視聴者との回路を確保するものであると考えます。そのことにより、NHKの放送内容や経営姿勢に対して提言・提案が保障され、NHKは、それらを受けとめ、放送番組や事業運営に反映させていくことになります。それを担保するのが受信料で、払っていただく視聴者のみなさんを「一株株主」だと位置づけたのは、私たち労働組合です。
 「従量課金」や「ペイパービュー方式」については、放送視聴への対価としての支払うという分かりやすいシステムだと思います。しかし、支払い能力のある人に情報・番組が偏り、情報格差が生じることを危惧します。先にも述べましたが、NHKが公共放送として、この時代の流れのなかで、基本となる情報を視聴者のみなさんに提供するには、そぐわない制度だと考えます。報道、教育・教養、スポーツや娯楽番組など基本的なサービスとともに、災害報道を伝えるには、視聴者を選別しない今のシステムが良いと考えます。
 多様なライフスタイルが求められる現在、視聴者ニーズに応える課金制度による放送局が存在するのは当然のことです。そうした放送局とNHKがどのように併存していくのが良いのかが問題であると考えます。

 

質問3. 民間放送事業者も増え、「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行」う(放送法7条)という日本放送協会の設立目的も意義が薄れてきたとの意見もあります。この点に関して、受信料を財源に運営される公共放送の存在意義を、税金を財源とする国営放送、広告収入を財源とする民間放送と比較してお聞かせください。

 結論からいえば、受信料で運営される公共放送・NHKと広告収入による「民間放送」の並立体制で、今よりもより放送内容や質で競争しつつ、視聴者ニーズに応えていくことが良いと考えています。
 税金や政府の交付金で運営される「国営放送」は、国家の強い統制のもとに従属させられ、その政府・権力のプロパガンダと思想の強制、統一のために使われる放送局となります。現実にいくつかの国に実例を見ることができます。10数年前の東欧革命は、こうしたコントロールのもとで、西側から流れてくる放送を見聞きした民衆が立ち上がった結果だといわれています。表現の自由が民主主義社会を成立させたのを私たちは目撃できました。
 広告を財源とする「民間放送」は、放送法でその公共性を求められるとしてもNHKよりはゆるやかで、民放各局間では活発な競争でその創造性と工夫をこらした放送事業を行っています。ただ、広告収入は視聴率がその番組の価値=価格を決定しますから、売れる番組を意識しすぎて、番組づくりに問題を生じていることは指摘されるとおりです。また、広告主への配慮も縛りとなるとも聞きます。その典型を視聴率の調査家庭への「買収」工作が行われたという事件に見られます。しかし、こうした制約を乗り越えて、最初に述べたNHKと民間放送各局が切磋琢磨していくことが良いのだと考えています。
 ここで私たちが問題にしなければならないのは「公共」の概念です。さまざまな捉えかたがあると思います。大きく発展している民放も、多くの視聴者が見ていることから「公共性」をもっているともいえます。私たち労働組合では、この「公共」について長い間、検討・議論してきました。今も行っています。検討してきた中のひとつの考え方で、「誰でも参加できることが大事ではないか」との考え方です。ディズニーランドは高い人気を得て、多くの入場者を確保していますが、だからといって町の中にある公園も必要だと思います。この公園の「公」という字がどのような意義をもつものなのかを明確にしていくことが私たちの宿題であると思います。

 

質問4. 受信料の徴収について、支払拒否をしている世帯からは徴収せず、また、携帯電話やパソコンによる放送の受信については捕捉しきれていない、沖縄県の受信料は他の地域に比べ低額に設定されているなど、不公平であるとの意見が寄せられています。この点に関して、不払い者に対する徴収強化や受信設備の捕捉強化、具体的には英BBCのような罰金制度や探査車や携帯式の調査機を使った受信設備の捕捉等の対策を導入することの是非についてご意見をお聞かせください。

 支払いを拒否されているお宅には、地域スタッフ(貴組織が集金スタッフと呼んでいる受信料の契約・集金を担当するNHKから業務委託を受けたもの)をはじめ営業の担当者が粘り強く説明し、説得し、視聴者の皆さんの理解をえる努力を重ねています。こうした努力はなんとも非効率ではないかと指摘されますが、NHKの性格から、私たちはこの方法が大切なのだと考えてきました。しかし、公平負担が受信料制度の根幹であることからすれば、悩みの深いことです。正直に申し上げれば、昼間不在者の増加やロックマンション等による面接が困難で現場で苦労している地域スタッフからは、「義務化も必要ではないか」との意見も少なくありません。でもここで「受信料制度の理解促進活動へ一層の努力をしなければ公共放送NHKはなくなる」と自らを叱咤激励しています。是非、ご理解をいただきたいところです。
 ただ、受信料支払義務化はNHKの性格を変えてしまうと考えられますが、受信料制度が担保しているNHKの自主・自律性が保障され、強弱は別にして強制的な方法で財源確保がなされるならば、その導入について考えないではありません。しかしながら、その方法については、これまでのところ考えついていません。
 携帯端末やパソコンなどへの新たなネットサービスについては、その提供するコンテンツは受信料で制作・送信されているものです。こうした分野へのNHKの進出は、その業務範囲を超えるものだとか、民業圧迫だとの指摘があります。わたしたちは、このデジタル時代、ネットサービスは大多数の視聴者の要求だと思いますが、公共放送NHKとしての身の丈にあった範囲について、検討していかなければならないと考えています。

 

質問5. 受信料の使途について、民間企業に比べ、コスト意識が低いのではないか、より有効に使用してほしい、との意見が寄せられました。この点に関して、現状についてどのように考えておられるか、また、経営の合理化、具体的には人件費や制作費の削減の是非についてご意見をお聞かせください。

 「受信料をより効率的・効果的に使うべきだ」と言われます。まったくそのとおりだと思います。また、「NHKは民間企業に比してコスト意識が低いのではないか」とも言われます。率直に見直すべきところは見直さなければならないと考えます。
 一方で、放送番組の質の確保も見失ってはいけないと考えます。ここまで衛星放送が始まり、デジタル放送が平行して行われ、地域放送の充実も具体的に打ち出され、始まっています。この間、NHK職員は、およそ30%弱、ピーク時からおよそ5000人の削減が行われました。労働組合も番組の質を確保することを最重点にしつつ、向き合ってきました。NHKの仕事は増えこそすれ減っていませんから、関連団体や外部のプロダクションや会社、専門家に担ってもらっているわけです。いわゆる協業・共同制作体制で取りくんでいます。その業務展開は、以前に比べてかなり効率化されています。業務運営の効率化方針のもとで、経費節減が具体的に現場にかぶせられてきます。臨時的雇用のスタッフや外部の人たちの賃金や業務委託費がその仕事に応じて適切なのかどうかも労働組合として検討しなければなりません。弱者へのしわ寄せが起こりやすいからです。率直に言ってこれ以上の制作費の削減は、現場のやる気を削ぐように思えてなりません。労働組合としては、現場で働くものたちの意欲をなくするような施策はとってはならないと考えます。

 

質問6. 放送内容について、報道・災害時の放送やドキュメンタリー番組、子供向け番組については肯定的な意見が多かった反面、ドラマや歌番組、娯楽番組については、民間放送でも制作・放映可能であり、あえて日本放送協会で制作・放映する必要はないのではないか、との意見が寄せられました。この点に関して、現在の番組編成についてどのようにお考えでしょうか。

 放送が良質な娯楽番組を送出することは必要であり、仮にNHKが娯楽番組の制作から手を引くと大衆的な娯楽、エンターテイメントの番組は、衰退すると考えます。それは民放とのバランスがあると思います。
 それは、民放はその性格からして、視聴率が番組の成否の基準となっています。そのため民放の多くの娯楽番組は、商業主義で、時流に迎合するものが、放送されています。NHKでは人(性格や身体的なこと)を「バカ」にして笑いを取るようなことはありません。ほんとうに人間的で、家族の寄り添い、あるいは日本の伝統的な芸能の価値を認めて、娯楽番組を制作することは、NHKがやらねばならない放送の重要なジャンルだと考えています。
 今、テレビの娯楽番組に、強い危惧を感じています。今はもう生で聞くことができませんが、例えば私の好きな「いとし、こいし」師匠のしゃべくり漫才のおかしさは、その年輪を重ねた巧みな話芸と話の中身の面白さが全てだと言えます。しかし、決して人の性格や顔立ち、姿形をネタにして笑いをとることのない芸の品性が、さわやかで好もしいことが、漫才ファンを魅了したのだと思います。漫才だけでなく、クイズ、マジック、落語に浪曲、演歌などの歌番組であれ、劇場からの中継番組などなど、こうした演芸、芸能、娯楽番組は、人々の生活のなかで欠かすことのできない放送です。そのジャンルで民放とは違い、真に人々に楽しんでもらえる娯楽番組を放送するのは、NHKの重要な役割だと考えます。

 

質問7. 受信料の不払いについては、相次ぐ不祥事や集金スタッフの対応の悪さ(説明不足・マナーの悪さ)も原因のひとつであると考えられます。この点に関して、情報公開、不祥事の再発防止、スタッフの教育等、今後の対策についてご意見をお聞かせください。

 相次いだ不祥事について、お詫びの仕様もない、申し訳の立たないことだと考えています。深く反省し、二度と起こしてはならない、そのために労働組合として何ができるのか、何をせねばならないのかを考え、議論しています。
 ここ数年、企業の不祥事をいくつも見てきました。それをNHKは報道してきました。他山の石として学んできたはずです。しかしこの事態です。いま"企業の社会的責任"が厳しく問われ、企業が提供する商品やサービスだけでなく、企業行動のなかで社会的公正性や環境などを組み込み、顧客だけでなく労働者や関係する企業パートナーに対して説明責任を果たしていくことが強く求められています。その結果が企業の「品格」を決め、企業活動の信頼を高め、「客」の支持を得て、株価にも反映し、企業が発展していくのだとされています。今、多くの企業がこのことを強く意識し、人材育成も含めて企業活動を展開しはじめています。
 しかし近年、アメリカの巨大企業の不正が数多く暴かれたときに、企業が行動憲章や倫理綱領を宣言し、役員や従業員の監視を強化しても不正の防止は不可能だといわれました。強い経営意志のもとで具体的、計画的、継続的な研修などの取り組みで、一人一人の意識の変化を促し、企業風土を変えることが大切なのです。そしてこの取り組みは、働くものの参画なくして成立しません。とくに労働組合として取り組みをすすめていく上で、労使協議が重要な位置づけとなります。自由にものが言えることは、責任も生じますが、労働組合の存在の証です。
 こうした意味で今回の「不祥事」に対するNHK経営の対応は問題です。視聴者には国会中継はしない。労働組合には真正面に向き合ってきませんでした。
 NHK労連としては、NHKが危機的状況にある今こそ、NHK全体で行動を起すときだと考えます。NHK全体で視聴者と向き合い、反省し、変わっていくことを行動で示すしか信頼回復はありません。NHK労連と各組合も、それぞれの経営に対して具体的な改革への提言をすることにより責任を負っていかなければなりません。そうでなければ公共放送NHKの将来を切り拓けないと考えます。
 こうした議論を重ねていくなかで、わたしたち自身がどうあるべきかが認識でき、指摘される地域スタッフの対応の悪さも自覚でき、自らを変えていかねばならないことを学んでいくと考えています。個々人の自覚がもっとも大切だと言うことは違いないのですが、具体的にはマナーや接客の研修も必要ですし、なによりもしっかりと公共放送・NHKを視聴者に語れる力を持ちたいと考えます。そのために必要な学習や研修の場は不可欠です。労働組合として努力を重ねていきますが、NHK経営にも組織的、計画的な研修の場の設置を求めていきます。もちろん地域スタッフだけではありません。NHKで働くすべての人たちが対象とならなければなりません。
 そして最後に、お尋ねの情報公開についてですが、信頼が受信料制度の土台だということですから、それを負担してくださる視聴者に対して、オープンなNHKであることが重要です。今回の不祥事の根底には、NHKの隠蔽体質が存在すると指摘されています。ジャーナリズムの基本である取材源の秘匿や、個人情報・プライバシーの保護など人権への配慮が必要なものなど、公開できないものを明確にしたうえで、視聴者の情報公開に対する求めに応じていくべきだと考えます。

 長くなりましたが、以上、ご質問に対するお答えとさせていただきます。

 

■今回のNHKの受信料問題は、本法人の設立趣旨を踏まえ、法律の建前と市民感覚のかい離が甚だしいテーマについて読者と一緒に掘り下げて考えてみようという企画「皆で考えよう、法の建前と現実」の第1回テーマとして実施されたものです。

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