サイト内検索:

株式会社の役員の任期管理について

 株式会社の取締役や監査役には、商法で任期が定められています。取締役は2年であり、監査役は就任後4年以内の最終の決算期に関する定時株主総会終結時までです。なお取締役の任期は、通常定款で「就任後2年以内の最終の決算期に関する定時株主総会終結時まで」と定めている会社が多いようです。

 筆者は、以上のような株式会社の役員の任期が満了となる日が近づくと、各株式会社へ任期満了の"お知らせ"を送ります。
 ところで株式会社の役員の任期が満了すると、定時株主総会で任期満了した役員の後任者を選任し、登記する必要があります。この場合、後任者が同一人物であっても、以上の手続を省略することはできません。そしてこの選任手続や役員変更登記手続を所定の時期に済ませていない場合、過料という罰則が課せられます。これは商法の規定により、100万円以内で決定されます。

 "お知らせ"は、過料という罰則が課せられないように会社に注意を喚起しているわけです。万が一にも役員変更登記の依頼を期待しているわけではありません(笑)。
 商法の規定に基づいて、所定の手続を踏んでおけば、過料という罰則は無縁なものなのです。任期満了に際しての役員変更であれば、定時株主総会で後任取締役や後任監査役を選任し、2週間以内に登記手続を完了しておけば、問題ないわけです。このような手続をきちんとしているかどうかで、その会社の対外的な印象も違います。

 役員の任期管理は、本来会社でするものなのですが、"お知らせ"は重宝されているようです。これは司法書士にとっては、大変有り難いのですが、複雑な気持ちです。

ページトップへ