養育料(1)
離婚をする前に決める重要な5つのポイントの内、まだ親権しか解説出来ていませんので、今回から養育料のご説明をします。
2.養育料
離婚をして子と別居状態になりましても、親には子に対する「生活保持義務」がありますので、「身上監護権者」に対して養育料を支払わなければいけません。
「収入が少なければ支払わなくて良い」と主張する方も居ますが、「少ないパンでも子に分け与えるべき」と実務では考えられていることから、収入の少ない親でも支払う義務があります。
また、離婚後に「身上監護権者」が他の方と再婚をした場合でも、親子関係は消滅しませんので、支払う義務があります。
例外としましては、子が再婚相手の養子となった場合に限り、養子と養親の関係を尊重するため、「養育料を支払わなくて良い」とする取扱いが実務上なされています。
ただし、養親が居たとしましても、あくまで親子に変わりはありませんので、再婚後の生活が経済的に困窮している場合は、養育料の支払義務があるものと考えられます。
養育料の額につきましては、双方の収入と、子の年齢から算定をすることになります。算定式は複雑ですが、平成15年の4月に東京と大阪の家裁から算定早見表が出されていますので、下記の離婚相談サイトの「離婚資料」のコーナーからダウンロードをしてご覧下さい。印刷をすると見やすいです。
また、平成18年6月には、大阪家裁が算定表の改訂版を公表しており、大阪弁護士協同組合のホームページから廉価にて購入できます。
養育料は日々の生活のための費用ですので、原則として過去にさかのぼって請求をすることは出来ないです。したがいまして、別居をしましたら、まず配達証明付きの内容証明郵便で請求をしまして、請求日を確定されることをおすすめします。また、離婚が成立する前の段階ですので、養育料とあわせて、夫婦間の「婚姻費用」を請求することも可能です。
※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません。
※ このコラムは2007年4月に執筆、2008年4月に改定されたものです。