養育料(2)
前回は、養育料の概要についてご説明しました。今回は、具体的な養育料の取り決め方法について述べたいと思います。
まず、「いつまで支払うか」について、子が成年になっても大学に進学している可能性が考えられますので、もめてしまうケースがあります。
このような場合は、ひとまず「20歳まで」とされることをおすすめします。養育料は、事情の変化に応じて変更可能ですので、このような点にこだわる必要はないためです。
同様に、先々の収入まで分からないケースでも、「事情の変化」に応じて養育料の額を変更できますので、とりあえずの金額として定めて差し支えありません。
これらは、仮に家裁の調停調書や公正証書として定めていましても、「事情の変化」に応じて変更可能です。
なお、障害などで子の自立が困難な場合は、成年になっても扶養する必要がありますので、扶養料という名目にしまして「子の死亡日まで」と定めることもあります。
次に、離婚後にもめるケースとしまして、子どもが重い病気になった場合の問題があります。
契約書に記していなくても請求可能な場合もありますが、やはり事前に契約書などで定めておかれることをおすすめします。
条項としましては、「当事者双方は、前項の定めにかかわらず、子が病気になるなど、不測の事態による特別な支出のあるときは、互いにその費用の負担について協議をすることとする。」などと規定して下さい。
その他、医学部進学時の学費の負担や、物価の大幅な変動時の対応に関する規定など、後からトラブルとならないように、事前に話し合われることをおすすめします。
※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません。
※ このコラムは2007年4月に執筆、2008年4月に改定されたものです。