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慰謝料(4)

慰謝料(4)

今回は、慰謝料をめぐる交渉についてご説明します。

慰謝料を請求する弁護士は、理由は様々と思いますが、判で押したように300万円か500万円のどちらかの請求が多いです。

このような場合は、「なぜその額を請求するのか」について、質問してみて下さい。合理的な説明の出来ない場合や、同様の事件の裁判例をひとつも挙げられない場合は、単なる手抜きであるか、離婚問題を得意としていない弁護士です。

もし、調停で300万円か500万円を配偶者が請求してきた場合は、そのような弁護士に「慰謝料500万円貰える」とアドバイスされたことが原因で、離婚の請求に踏み切った可能性があります。したがいまして、現実にはそんなに貰えないと分かるように、裁判例などを示されることをおすすめします。

また、逆の立場としまして、全く慰謝料を支払おうとしない夫に対しては、慰謝料を「解決金」や「財産分与」などと言葉を置き換えると効果的です。
自分の子どもの前で浮気を暴露されて、挙げ句の果てに調停で認めて慰謝料を払ってしまったというのでは、子に対する教育上の問題や、父親としての威厳を損なう問題があります。

そのように退路を断ってしまいますと、夫は合意したくても合意できません。
許せない気持ちは分かりますが、子に対して弁明の機会を与えるなど、相手の性格に合わせて、かしこく交渉をして下さい。

その他、証拠不足のため裁判では慰謝料の認められない事例でも、慰謝料請求に成功することが多くありますので、それらの特徴について少しご紹介します。
事例としましては、一概には言えませんが、「浮気が発覚して謝っている間に、すぐさま慰謝料の公正証書を作り、離婚届を提出する」など、離婚の法律を事前に勉強して、準備されている方が多い様に感じられます。
珍しいケースでは、「今夜浮気を指摘するから契約書を作って下さい」と、合意も出来ていない段階で頼まれたこともありました。なお、指摘して気が動転しているときに署名をさせても、無効になる可能性がありますのでご注意下さい。

※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません。
※ このコラムは2007年4月に執筆、2008年4月に改定されたものです。

執筆者 行政書士 夛治川 満之
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