「知らなきゃ損する!面白法律講座」第231号
http://www.hou-nattoku.com/
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□□ 知らなきゃ損する!面白法律講座 □□
2005.05.31 第231号
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発行部数:23,239部(まぐまぐ 15,843部、melma! 7,333部、Macky! 63部)
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■ 目 次
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□ なっとく! 法律相談 第219回
「失くした証拠」
http://www.hou-nattoku.com/consult/403.php
□ 法、納得!どっとこむ 新着情報
□ 皆で考えよう、法の建前と現実 第7回
「有責配偶者からの離婚請求について」
http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/07_no-fault_divorce.php
□ なっとく! ランキング
□ 編集後記 「ラブ・メール」
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■ なっとく!法律相談 第219回
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「失くした証拠」
□相談□
資格取得のため専門学校に通っています。
先日、講義をICレコーダーで録音していました。すると、ある
受講生が私のICレコーダーを手に取り、「これ、俺が前に失くし
たのと同じ機種なんですよね。製造番号見ても良いですか?」と
言って、いきなり電池を外そうとしました。
その無礼な行動に腹を立てた私は、直ぐに奪い返して、無視し
て家に帰りました。しかし、家に帰って鞄の中を確認するとICレ
コーダーがなくなっていました。
次の補講のときに、また同じ人が来て「なぁ、製造番号だけで
も見せろよ」と言ってきました。私が「失くした」と言い返すと、
「なんで嘘をつくかな?警察に訴えるからね」と言ってきました。
私には、【盗んだ証拠】はないけど、【盗んでない証拠】もあ
りません。さらに、ネットオークションで買ったため、箱も説明
書も付属品もありません。どうしたらいいのでしょう?
(20代:男性)
□回答□
あなたを疑っている受講生が、もし実際に行動を起こすとすれ
ば、警察に被害届を出す、あるいは告訴するか、民法上の不法行
為で損害賠償を請求するか、いずれかとなります。
警察に被害届が出された場合、警察は所定の捜査を行わなけれ
ばなりません。その場合、警察は、あなたに捜査に対する任意の
協力を求めます。
これに対し、あなたは協力してもよいし、協力しなくても構い
ません。例えば、ICレコーダーをオークションで買った経緯など
を説明してもいいですが、自分の潔白を証明するために積極的に
何かをしなければならない、ということはありません。あなたが
罪を犯したことを証明するのは、警察の仕事です。窃盗であれば、
捜査機関側が、あなたがいつ・どこで・どのように盗んだかを明
らかにしなければならず、あなたはそれに対し、最低限の防御を
するだけでよいのです。告訴された場合も同様です。
不法行為に基づいて損害賠償を請求された場合も、訴えが提起
されてはじめて行動を起こせばよいのです。そしてこの場合も、
あなたが不法行為を行った事実、損害額等を立証するのは、訴え
を起こす側の責任とされています。
「していない」ことの証明は大変困難であり、ある意味では不
可能ともいえます。したがって、立証責任は「した」と主張する
方が負わなければならないのが、原則なのです。
[関連情報]
・被害届と時効
http://www.hou-nattoku.com/consult/254.php
・料金支払の証明は誰がする?
http://www.hou-nattoku.com/consult/356.php
・正体不明の電話で、警察に被害届を出すと言われたが
http://www.hou-nattoku.com/consult/233.php
・中絶費用を請求された!妊娠の事実を確かめるには?
http://www.hou-nattoku.com/consult/382.php
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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 05/05/25 ~ 05/05/31 )
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前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
に新しく掲載された記事をご紹介します。
5月30日 夫の不倫相手と交わした念書の効力 (なっとく法律相談)
http://www.hou-nattoku.com/consult/402.php
5月26日 大学と結んだ資格講座の契約。解約はできないのでしょうか?
(なっとく法律相談)
http://www.hou-nattoku.com/consult/401.php
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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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今月のテーマ:「有責配偶者からの離婚請求について」
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現在、離婚を選択するカップルは、年に約26万7000組にものぼ
ります(厚生省 平成16年人口動態統計)。つまり、2分に1組が
離婚しているという計算です。昭和54年には約13万5000件でした
ので、ここ25年間で離婚件数は倍増したことになります。
離婚に際しては、事実上も、法律上も、様々な問題が生じます。
その中で、法律上の問題として最も議論されてきたのが、“自ら
離婚原因を作った配偶者(有責配偶者)が、裁判で離婚を請求す
ることができるか”ということです。具体的には、不倫をした、
あるいは家を捨てて出て行った配偶者の方から、裁判に訴えて離
婚することできるか、ということです。
個人が自由なライフスタイルを選択することが重視される現代
において、どのような場合に法が離婚を認めるかいうことは、大
変重要な問題です。今回は、この「有責配偶者からの離婚請求」
について、法の定める離婚制度の内容や、関連する判例などを見
ながら、検討していきたいと思います。
○有責配偶者からの離婚請求の可否がなぜ問題となるのか
そもそも、なぜ有責配偶者からの離婚請求の可否が問題となる
のでしょうか?その原因は、民法の規定にあります。
夫婦が離婚することを合意し、離婚届に自書・捺印し、届出書
を提出することで成立する協議離婚の場合には、離婚の原因が何
であろうと、離婚することができます。
しかし、夫婦の一方が同意しないのに他方から裁判をおこし離
婚しようとする場合は、どんな理由でも離婚できる、というわけ
ではありません。
わが国の民法は、裁判による離婚について、「離婚原因」を定
めています。この「離婚原因」がなければ、裁判で離婚すること
は不可能なのです。
民法は、以下の5つを離婚原因として定めています(民法770条
1項)。
1.配偶者に不貞行為があった場合
2.配偶者から悪意で遺棄された場合
3.配偶者の生死が3年以上不明である場合
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
5.婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合
1号から4号までは、所定の原因があるときには、落ち度のない
配偶者から離婚請求ができることを定めているのが明らかです。
しかし、問題は5号です。条文は「婚姻の継続が困難な重大な事
由がある場合は、裁判によって離婚ができる」と定めているのみ
です。「誰が」とは書いていません。したがって、「婚姻の継続
が困難になるほどの重大な事由(例:浪費癖、アルコール中毒、
理由のない性交拒否等)」を作り出した本人でも、離婚請求がで
きるように読めます。
しかし、そう解釈すると、相手方――何ら責任がなく、しかも
婚姻の継続を望んでいる配偶者――にとって、非常に酷な場合が
あります。離婚によって、子供の養育や家庭経済に支障が出るな
ど、生活に困難が生ずる場合があるからです。
(続く)
「法、納得!どっとこむ」では、さらに、
▼ 判例の変遷
▼ 有責配偶者からの離婚請求を認めた事例
▼ 海外における、有責配偶者からの離婚請求の取り扱い
▼ 今後の課題
について解説をしています。下記URLよりご覧ください。
http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/07_no-fault_divorce.php
今回のアンケートは、「『有責配偶者からの離婚請求』につい
て、あなたはどう思いますか?」
・有責配偶者からの請求は認めるべきでないとすべき
・現在のように厳しい条件付で、例外的に認めるべき
・現在よりも例外の条件を緩やかにし、離婚しやすくするべき
・婚姻が破綻していれば原則的に認められるとしつつ、例外的
に認められない場合もあるとすべき
・無条件に、婚姻が破綻していれば離婚請求を認めるべき
投票は以下のページでも受け付けております。皆さんのご意見
お待ちしております。
http://www.hou-nattoku.com/enq/
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■ なっとく!ランキング ( 05/05/22 ~ 05/05/28 )
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第1位 NHKの受信料問題
http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/01_nhk.php
第2位 年末調整の還付金について
http://www.hou-nattoku.com/consult/400.php
第3位 NHKの受信料、払わなければならない?
http://www.hou-nattoku.com/consult/143.php
第4位 公務員の懲戒処分
http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo61.php
第5位 ネットオークションでの定価表示
http://www.hou-nattoku.com/consult/399.php
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■ 編集後記 「ラブ・メール」
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先日、ある人からラブ・メールをもらった。
その人は、法科大学院の同級生。社会人入学した私から見ても、
ずいぶん年上の人だ。
企業の研修制度を利用して入学し、3年間が過ぎれば、また職
場に戻ってしまう。
私にも将来を約束した人がいて、彼の恋は現実のものとはなり
えない。
しかし、同級生から想いを打ち明けられるという、ちょっと懐
かしくすらあるハプニングは、私の心を暖めてくれた。
彼がよき法曹となることを、心から祈りたい。
(さつき)
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