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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第235号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2005.06.28                           第235号
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 発行部数:23,176部(まぐまぐ 15,980部、melma! 7,134部、Macky! 62部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第223回
    「新居を買ったのに婚約破棄された!」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/411.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 皆で考えよう、法の建前と現実 第7回
    「有責配偶者からの離婚請求について」

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「梅雨の渇水」



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■ なっとく!法律相談 第223回
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  「新居を買ったのに婚約破棄された!」

 □相談□

  従兄弟は6月に結婚予定で、新居にする予定の住宅を購入して
 いました。ところが、相手が、性格の不一致を理由に婚約を破棄
 しました。それはそれで、仕方のないことですが、問題は購入し
 た家の処分です。
  家の購入に関するお金は、ローンも従兄弟が組み、頭金も全て
 出しています。しかし、結婚が前提だったので、名義を1/10だけ
 彼女のものにしていました。現在その家に彼女が住んでおり、今
 後も住み続けたいとのことです。
  そこで、従兄弟が購入価格での買取りを要求したところ、
 「(人が住んでいるので)もはや中古住宅」を理由に、購入時の
 価格での買取りを拒否されました。自分の都合で婚約を破棄し、
 その上、自分が住んだために「中古」になった住宅なのに、彼女
 の言い値は購入価格より600万円低い価格でした。

  こちらとしては、慰謝料を請求しても良い立場だと思うのです
 が、従兄弟はそれはしたくないようで、せめて、家を購入時の価
 格で買い取ってもらいたいと思っています。
  しかし、彼女の言うとおり「中古」なので購入時の価格で買い
 取ってもらうことは不可能なのでしょうか? 住んでもない家の
 為にローンを払っている従兄弟が可哀想でなりません。
                        (20代:女性)

 □回答□

  婚約当事者の事情はどうあれ、一度入居した建物が「中古」と
 して査定されるのは、やむを得ないことです。登記上10分の1な
 りとも彼女の所有名義になっていることもネックです。
  しかし、これを「履行の終わった贈与」とみて取消せない(民
 法550条)としても、当事者の情誼関係が破綻消滅し、贈与の効
 果をそのまま維持存続させることが、信義公平の原則上不当と解
 されるときは、贈与者の贈与物返還請求を認めた下級審判例があ
 ります。この例によれば、彼女は持分を返還し、自分も建物から
 出て行かなければならないことになります。
  また、本来ならば婚約不履行で慰謝料を請求されても仕方がな
 い立場にありながら、また自分が建物に住むことによって得てい
 る利益を支払うことなく中古を理由として格安値での買取を主張
 することは、信義則違反(民法1条)として認められないと考え
 ます。

  今、従兄弟さんがローンの支払いを止めれば、建物は競売にか
 かり、彼女は出て行くか、あるいは家を競売価格で買い取るか、
 いずれかを選択しなくてはならなくなります。
  債権者の意向もあることでしょうから、一概には言えませんが、
 一度三者で話し合う機会を持ち、それでもまとまらなければ調停
 にかけることをお勧めします。彼女の経済力によっては、ローン
 の名義だけを変更することも可能でしょう。
  最終的には訴訟によって決着をつけざるを得ませんが、彼女が
 中古価格で買い取らせる権利はどこにも無い、ということはたし
 かです。


 [関連情報]
  ・婚約破棄
   http://www.hou-nattoku.com/manwoman/marriage1.php

  ・お金にルーズな彼との婚約を破棄したい!
   http://www.hou-nattoku.com/consult/43.php

  ・マンションを夫婦共有にするメリットは?
   http://www.hou-nattoku.com/consult/91.php

  ・彼氏にもらった贈り物の返却義務
   http://www.hou-nattoku.com/consult/281.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 05/06/22 ~ 05/06/28 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  6月27日 借金返済のためにホストクラブで働かされる!
                         (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/410.php

  6月23日 名刺の肩書きについて (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/409.php


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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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   今月のテーマ:「有責配偶者からの離婚請求について」
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  今週もアンケートの途中経過といただいたご意見の中からいく
 つかピックアップしてお送りします。


 ▼アンケートの途中経過(投票総数:781票)

  設問:「有責配偶者からの離婚請求は認められるべきか」

  1. 有責配偶者からの請求は認めるべきでない
  2. 現在のように厳しい条件付で、例外的に認めるべき
  3. 現在よりも例外の条件を緩やかにし、離婚しやすくするべき
  4. 婚姻が破綻していれば原則的に認められるが、例外的に認め
     られない場合もあるとすべき
  5. 無条件に、婚姻が破綻していれば離婚請求を認めるべき

  1. ||||||||||||| 99票(13%)
  2. ||||||||||||||||||||||||||||||||||| 275票(35%)
  3. |||||||| 62票(8%)
  4. |||||||||||||||||||||||||| 211票(27%)
  5. ||||||||||||||||| 134票(17%)
                   (6月28日 17時00分現在)


 ▼いただいたご意見(読みやすいように一部編集しています)

 【例外的に認めるべき】

 ・どのような制度であっても、悪用しようとする人はいるものだ
  と思います。
  「妻」「夫」という立場に過度に甘える人がいるために、まと
  も(?)な有責配偶者が大変な目に合うケースも少なくないの
  でしょう。
  が、やはり、悪意ある有責配偶者からの一方的な請求によって、
  まとも(ある程度)なもう一方の配偶者の生活が破たんするこ
  とがないようにこそ、法律は機能するべきだと思います。子供
  がいるならなおさらです。
  現在の日本では、生きていくために必要な経済力において、女
  性に明らかな不利(いくら努力しても現実には)があることか
  らも、有責配偶者からの一方的な請求を認めやすくするのはま
  だ早いと思います。
  DVなどの場合は認めやすくするべきでしょうが。
                      (30代後半・女性)

 ・婚姻が破綻している=不貞行為に走っても許される、ではない
  はずです。また、婚姻が破綻している=お互いの気持ちが冷め
  ている、でもないはずです。
  その辺りを無視して、気持ちが冷めてしまった一方の都合だけ
  で離婚を認めるのはどうかと思います。
  本当に破綻しているのか、有責と言われる側の「有責配偶者に
  なるに至った理由」は正当なのか(正当な理由などほぼあり得
  ないと考えますが)など、詳細に検証し、両者が全てにおいて
  合意できた時には認めてもよいかと思います。
  その際、相手が離婚によってこれまでの生活レベルを維持でき
  なくなる場合には、その分は支払うべきだと思います。(男女
  関係なく)
  「甘えてないで働け」とかそういう話ではないと思います。今
  時は30代以降で仕事を探すのは男女とも困難です。選ばなけれ
  ば仕事はあると言いますが仕事は選ぶものです。本人の人格を
  無視するような生活を強いる離婚であってはならないと思いま
  す。
                      (30代前半・女性)


 【無条件に認めるべき】

 ・性格の不一致で一緒に生活をしていくのは苦痛だと思います。
  その苦痛が原因でも不倫をする場合もあるでしょう。浮気癖の
  不倫と合う人を求めた結果での不倫は違うものです。
  私の友人の中には、夫婦関係は破綻して家庭内別居状態、しか
  も彼女には彼がいる状態(ご主人は気付いていないようですが…)
  なのに、ご主人は給料はすべて渡しているようなので、彼女は
  子供が卒業するまでは家政婦のつもりでこのまま離婚しないと
  言っています。へそくりをしてこっそりお金を貯めているそう
  です。
  私は話を聞くたびにご主人がすごく可哀相になってしまいまし
  た。そんな夫婦の仲で暮らしている子供達も…。
  他にも打算で離婚しない女性はいろいろ知っています。彼女達
  が欲しいのは愛情ではなく生活費なのです。そんな人達まで守
  らなくてもいいんじゃないのかなぁと思います。彼女達は紙切
  れ一枚の契約で守られすぎです。
  男女が逆のパターンでも同様です。
                        (40代・女性)


  今週は3人の方のご意見を掲載しました。
  この他にも多くのご意見をいただいています。刻々と変化する
 アンケート結果やその他のご意見を読みたい方は、

  http://www.hou-nattoku.com/enq/view_opinion.php

 にアクセスしてみてください。引き続き、ご意見お待ちしており
 ます。
 
 >> http://www.hou-nattoku.com/enq/


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  【次回予告】
   次週配信号より、「代理出産」をテーマにお送りします。
   お楽しみに!!
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■ なっとく!ランキング ( 05/06/19 ~ 05/06/25 )
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 第1位 駐車違反(悪質)について
     http://www.hou-nattoku.com/consult/295.php

 第2位 盗難された車のレッカー代、私が払うの?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/239.php

 第3位 無断駐車をしている人から罰金を取ることはできる?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/106.php

 第4位 浮気相手の元奥さんから慰謝料請求
     http://www.hou-nattoku.com/consult/408.php

 第5位 無断駐車に制裁。逆ギレされた!
     http://www.hou-nattoku.com/consult/184.php



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■ 編集後記 「梅雨の渇水」
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  さっぱり雨が降らない。
  大雨になっている地方もあるらしいが、我が地元の鴨川は、川
 面の様子が変わってしまった。
  七条大橋辺りでは、八割程も川底が出て、雑草がしげっている。
 こんな光景は本当に珍しい。

  雨が待たれる。
                          (ありま)

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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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