「自動車運転代行業」、こんな仕事があることをご存知だったでしょうか。
自動車通勤のみなさんには帰りの一杯はご法度。しかし、どうしても断れないつきあいもあります。
そんなときに役に立つのが「自動車運転代行業」。電話1本で、2人のドライバーが車でやってきます。1人はあなたの自動車にあなたを乗せて家まで運転。もう1人が後ろからついてきて、あなたを送り届けたドライバーを乗せて帰ります。
代行業者があなたを乗せて運転するのは、あくまであなた自身の車。ですから、タクシーのような旅客運送事業には含められず、料金体系、運行上の安全管理など、法的な規制がありませんでした。自動車があり、ドライバーさえいれば、開業できる仕事だったのです。
ところが、業者が増えるにしたがって、客待ちの違法駐車や、代行業者用の車にお客を乗せる、いわゆる「白タク」行為が目立つようになりました。また、任意保険への未加入、交通事故の多発(警察庁の統計)、不明瞭な料金設定によるトラブルなども問題となり、ついに、法規制の枠がはめられることになったのです。
代行業者は、公安委員会の認定を受け、さらにタクシーのドライバーと同様、二種免許を取得する義務が課されました。ただし、二種免許の取得義務は約3年間(16年春頃まで)、猶予されることになっています。
本法では、自動車運転代行業者の遵守事項として次のような事項が取り決められました。
- 料金の明確化と掲示
- 利用者が受ける損害に対する措置を講じる
- 自動車運転代行業約款の制定
- 暴力団関係者の廃除
- サービス内容の利用者への説明義務
- 代行運転自動車に標識を表示する義務
- 道路交通法の遵守
また、代行業者は次のような監督を受けることになりました。
- 1. 報告徴収、立入検査及び指示
- 公安委員会、国土交通大臣は、それぞれ必要な報告徴収、立入検査及び指示を行うことができるようになりました。
- 2. 営業の停止命令及び廃止命令
- 代行業者や無認可の業者が、本法律の規定等に違反した場合に、公安委員会は、営業の停止命令又は営業の廃止命令を行うことができるようになりました。
二種免許って?
二種免許とは、客を自動車に乗せて走行するために必要な免許をいいます。一種免許取得後、原則として3年間以上の経験を要します。都道府県公安委員会の学科、技能試験では運転技術、交通安全意識、身体機能が厳しく問われます。
自動車学校での教習費などを含め、取得には30万円程度かかります
第4回は、「改正自動車NOx法」についてお送りします