前回は、平成13年道路交通法改正の目玉である、悪質な違反に対する罰則の強化についてご紹介しました。
今回は、その他の改正事項をみていきます。
2. 運転免許の有効期間の変更
これまで、軽い違反が1度でもあれば、次の免許有効期間は3年間でした。
今回の改正で、免許更新前の5年内に、103点の軽い違反が1回までなら、次の免許有効期間が5年に延長されまし
。たとえば、過去5年の違反歴が20km以上25km未満のスピード違反(2点)だけなら、次の免許は5年、有効ということです。
ただし、免許取得後5年未満または、70歳以上のドライバーは従来の原則どおり、有効期間は3年です。
3. 障害者に対する保護義務の新設
障害者が道路を横断している時に、助けを求められたら(求められなくても必要な場合は)、その障害者が安全に道路を横断することができるように協力しなければならないことになりました。
当たり前のことですが、法律で明記されました。
また、身体に障害を持つ方は、新しく作られた標識を自動車の前後に掲示することで、一般車両よりも保護されることになりました。
具体的には、標識を掲示した車両への幅寄せや割り込み行為には5万円以下の罰金が科されます。
4. 免許更新期間の延長
これまでは、誕生日の1ヵ月前から誕生日の当日までが免許の更新期間でした。
改正により、誕生日の1ヵ月後までに更新すればよいことになりました。「うっかり失効」が減ることでしょ
。また、海外旅行など、やむをえない事情で更新できず、免許を失効させ、さらに新しい免許を取得した場合(失効から6ヵ月以内)は、免許を受けていた期間が継続していたものとされる規定が作られました。これにより、入院などで更新できなかった優良ドライバーが"ゴールドカード"を失わなくてもよいことになりました。
5. 高齢者講習
これまで、免許更新時の「高齢者講習」は、75歳以上のドライバーが対象でした。
今回の改正で、対象が70歳以上に拡大されました。高齢ドライバーが車につける「もみじマーク」も、その対象が70歳以上に拡大されました。
その他、更新時の講習時間の変更、優良運転者の住所地以外での更新制度、免許証のICカード化などの改正も行われています。
免許証のIC化について教えて。
平成13年道路交通法改正により、ICカード化の法的基盤ができました。平成16年からの採用に向けて、警察庁は動いているようです。
実現すれば、従来、免許証の表面に記載されていた本籍地などのプライバシー情報の一部がデータとして記録されることになり、表面から消えることになります。また、違反時の警察官による誤記もなくなります
第3回は、「お酒のおつきあい」を支えてくれる運転代行業についてについてお送りします