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お金を残す手段としての節税

 前回、節税はお金を残すための手段であって、節税そのもののためにお金を遣ってはいけないと書きました。今回からは、お金を遣わない節税と言うことについて考えてみたいと思います。

 お金を遣わない節税には、大きく

  1. 税金が永久に免除されるもの
  2. 税金の支払いを将来に繰り延べるもの

の二つが考えられます。今回は1.の税金が永久に免除される節税について説明します。

 サラリーマンやOLなど会社にお勤めの方でも、住宅ローン控除や医療費控除の確定申告をして所得税の還付を受けた方がおられると思います。これらの制度によって還付された税金は永遠に免除されます。
 それでも節税のためにお金を遣っているじゃないかと反論されるかも知れませんが、住宅ローンや医療費は節税の目的のために支払うのではなく生活してゆくために必要な支出です。ですから、このような減税の制度がなくても支払っていたはずです。
 重要なのは、住宅ローン控除や医療費控除の制度を知らず、確定申告をしないと税金の還付は受けられないということです。税務署の方からあなたに、還付が受けられますよと個別に連絡されることは絶対にありません。

 法人や個人事業においても、税額控除など永遠に税金が免除される制度がいくつかあります。
 例えば、平成15年の1月から平成18年3月までの間に、資本金3億円以下の法人が140万円以上のパソコンやサーバーなどのハードを購入するか、70万円以上のソフトウェアを購入すると通常の減価償却の他に10%の税額控除を受けることができるようになりました。つまり、200万円の設備投資をすると20万円の税額が永遠に免除されるということです。
 前回の説明でゆきますと、この制度を適用したら、しなかった場合より20万円手元の現金が多く残るということです。

 これらの制度は、政策減税と呼ばれるように政府が景気浮揚などを目的として用意している制度なので積極的に活用するべきです。節税方法としては最も安全かつ効果的なものです。

 しかし、これらの制度は税務申告の際に自らが税額控除を受けますという意思表示をしないと受けることができないので、日頃から勉強しておくか専門家のアドバイスを受ける必要があります。(つづく)

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