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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第192号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 8.10                           第192号
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 発行部数:16,000部(まぐまぐ 14,027部、melma! 1,935部、Macky! 38部)
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 ■■ 次週休刊のお知らせ ■■
 
  読者のみなさま、暑中お見舞い申し上げます。
  いつも当メールマガジンをご愛読いただき、ありがとうございます。
  さて、次週8月17日は、通常は配信日となっておりますが、誠に勝手
  ながらお盆休みをいただく都合上、休刊とさせていただきます。
  次回配信は、8月24日(火)となりますのでご了承ください。
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第180回
    「加害者が保険に入っていない場合」
    http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/325.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 【法人向け】企業のリスクマネジメント~内部告発について~
                           第2回/全3回
    http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/riskmanage/06.php

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「猿も木から落ちた?」



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■ なっとく!法律相談 第180回
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  「加害者が保険に入っていない場合」

 □相談□

  甥が自転車に乗っているとき原付にはねられ、右手首と左肩を
 骨折し入院しています。しかし、相手方の加害者(高校生)は保
 険に一切入っておらず、入院費も治療費も一円も払えないといい
 ます。このような場合、どうしたらよいのでしょうか?
                      (30代後半:女性)

 □回答□

  自賠責保険については、原付も加入が義務づけられていますか
 ら、本来、傷害の場合は最高120万円までの範囲で補償されるは
 ずです。しかし、期限切れやかけ忘れなどによって、無保険となっ
 ている場合もあり得ます。このような場合に、まったく補償が受
 けられないのでは、たまたま加害者が無保険であったために、被
 害者が大きな不利益を受けることになります。
  そこで、こうした場合に備えて、自動車損害賠償保障法には、
 政府保障事業という制度があります。これは、ひき逃げや自賠責
 保険に入っていない車の事故の場合に、自賠責保険とほぼ同じ基
 準で一定の補償金を支払う制度です。

  ただ、政府保障事業は、被害者救済のための「最後の手段」で
 あるため、以下の点が自賠責保険と異なります。

  ・請求できるのは被害者のみで、加害者は請求できません
  ・被害者に過失があれば過失割合に応じて損害額から差し引か
   れます
  ・健康保険、労災保険などの社会保険による給付があれば、そ
   の金額は差し引かれて支払われます

  政府保障事業による給付金の支払請求書は、保険会社に提出し
 ます。どの保険会社に提出してもかまいませんので、最寄りの保
 険会社に問い合わせてみてください。

  また、加害者が未成年の場合、親が原付の購入資金や維持管理
 費用を負担していたような場合には、親が運行供用者として損害
 賠償責任を負うことが判例上認められています。したがって、こ
 の点を指摘して、親に損害を賠償させることも可能と思われます。

  交通事故については、全国各地に日弁連交通事故相談センター
 が設置されているので、そちらで相談するのもよいでしょう。所
 在地や相談できる事項については、ホームページ(http://www.n-tacc.or.jp/)
 をご覧ください。費用は無料です。


 [関連情報]
  ・子供が自分で買った車で事故。親に責任ある? (なっとく法律相談)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/180.php

  ・車の無断使用の際の所有者の責任 (交通事故)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/koutuujiko/traffic1.php

  ・交通事故と届出 (なっとく法律相談)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/260.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 04/08/04 ~ 04/08/10 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  8月 9日 オレオレ詐欺で振り込んでしまったお金を取り戻すには?
                         (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/324.php

  8月 6日 企業のリスクマネジメント ~内部告発編 (1) (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/riskmanage/05.php

  8月 5日 スタッフの個人情報と守秘義務 (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/323.php



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■ 【法人向け】企業のリスクマネジメント~内部告発について~ 第2回
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                     弁護士 野田 伸也


 第3 法令違反による企業のリスクと内部告発制度の必要性

 1 まず、前回触れた最近の企業不祥事は、それぞれ重大な顛末
  を迎え、法令違反による企業のリスクをまざまざと見せつけま
  した。
   即ち、三菱自動車工業の場合30年以上もの間自動車の不具合
  の事実を隠蔽していたことにより、経営者辞任、ブランドイメ
  ージの失墜、売上の大幅な減少という重大な損害が生じました。
  日本ハムによるBSE対策事業における詐欺事件の場合も、役員
  が退陣に追い込まれ、売上が大幅に減少しました。雪印食品に
  至っては、BSE(狂牛病)関連の詐欺事件により、会社は解散
  に追い込まれました。京都府浅田農産での鳥インフルエンザ事
  件では、社長だけでなく会社まで刑事告発されました。

 2 このような法令違反や不正行為によるリスクを軽減・回避す
  るためには、まず、事業主が法令違反・不正行為によるリスク
  を十分に認識したうえで、社内及び社外に対して、法令遵守を
  明確に宣言し、周知徹底することが重要です。
   経営のトップの意識が低ければ社員に遵法精神など生まれる
  ことは期待できません。トップ自らが襟を正すことにより、従
  業員の法令違反や不正行為に関する意識が高まり、予防効果を
  期待することができるのです。

   そして、社内において法令違反や不正行為の相談窓口・通報
  等の内部告発制度を設けて、社内に周知徹底を図るべきです。
   確かに、法令違反や不正行為の情報を通常の報告ラインに乗
  せて伝達できる企業であれば、特別このような制度を設ける必
  要はないとの見方もあるでしょうが、やはり経営者たる者、生
  じる可能性のあるリスクには最大限の予防線を張っておくべき
  でしょう。

   前述した事案全てに共通するのは、「自社の利益を追求する
  ために、法令を無視し、消費者を犠牲にする姿勢」ですが、社
  内の一人一人がそれぞれお互いにチェックしあうことにより社
  内の自浄作用が生まれ、法令違反や不正行為によるリスクを未
  然に防ぐことが可能となります。

   企業不祥事が生じた場合、社内で事実関係を調査し、計画的・
  戦略的に対策を講じる前に、マスコミや当局にリークされてし
  まうと、お粗末な対応を晒すことになって必要以上の損失が生
  じることになります。
   企業が社内に相談窓口・通報等の内部告発制度を備えること
  により、早期に詳細な事実関係を把握し、戦略的に対策を講じ
  てから情報を開示すれば、企業イメージ等に与える被害を最小
  限に食い止めることが出来るのです。

   とは言え、日本においては、まだまだ内部告発者は「密告者」
  というレッテルを貼られてしまう風潮が根強いですし、法令に
  違反しているのかどうか分明でない場合もあるでしょう。
   それゆえ、内部告発制度を設ける際には、内部告発者保護に
  最大限配慮したものであることが必要であり、また弁護士等の
  専門家にチェックしてもらえる体制を整えておく必要がありま
  す。

   そして、内部告発制度の構築と並行して、相談窓口担当者の
  教育・研修を実施する必要があるでしょう。この担当者の選任
  や教育を誤ると、制度の目的を没却し、却って企業のリスクを
  高めることになりますから、社内において信用・人望のある者
  が、客観的・公正な立場から、親身になって相談に乗る体制に
  しなければなりません。

 3 次回は、具体的な内部告発制度の構築方法について考えてい
  きましょう。

                           (続く)



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■ なっとく!ランキング ( 04/08/01 ~ 04/08/07 )
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。

 第1位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/143.php

 第2位 うっかりして運転免許証を紛失!
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/accident/menkyo.php

 第3位 元カレの借金とアパートの保証人
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/322.php

 第4位 事故を起こしたら示談の前にまず警察!
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/320.php

 第5位 妻の浮気が原因で離婚。この上、養育費を払う義務があるのか?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/318.php


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■ 編集後記 「猿も木から落ちた?」
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  先日、以下のようなメールが届いた。

  「私のパソコンに件名も本文も書いていないメールが来たので
   とりあえず返信してみました。どちら様でしょうか?
   (以下略)」

  普段、知らない人からのメールには決して返信をしない。うっ
 とうしい広告メールの末尾に「配信を停止したい場合は以下のア
 ドレスに返信してください」と書いてあっても、だ。返信するこ
 とでそのメールアドレスが使われていることを知らせることになっ
 てしまい、さらに広告メールを呼び込む結果となってしまうから
 だ。

  しかし、今回は返信をしてしまった。最近のウイルスは、差出
 人を詐称してメールを送るものがあり、そうしたメールが届いて
 いた可能性があること、送られてきた文面から、パソコンに詳し
 くないと思われたので、誤ってウイルスに感染したら、と思って
 しまったからだ。

  その親切心が裏目に出てしまった。その後、そのメールの差出
 人からやってくるメールは、私の返信とは全く関係のないメール。
 調べてみると、同じ手口で多くの人が引っかかっているらしい。
 今のところ実害は出ていないものの、日頃こうしたメールには注
 意するように周りに言っていただけに、情けないことこの上ない。

  まさか、と思っても、我が子(孫)のためにとお金を振り込ん
 でしまう「オレオレ詐欺」もそうだが、親切心を利用した「だま
 し」の手口は、人の善い心につけ込むだけに、やはり怖いなぁ、
 と思った夏の日だった。
                           (三毛)

  冒頭でもご案内しましたが、次週8月17日は編集部お休みの関
 係で休刊させていただきます。
  次回配信は24日となりますのでご了承ください。
  今後とも変わらぬご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
                         (編集部K)

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監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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