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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第194号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 8.31                           第194号
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 発行部数:15,962部(まぐまぐ 13,990部、melma! 1,931部、Macky! 41部)
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 当メルマガを発行しているNPO法人リーガルセキュリティ倶楽部では、
 登録している各種専門家が、あなたの相談を法律的に検討し、その解決の
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       https://www.hou-nattoku.com/asp/index2.html

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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第182回
    「年末年始の会社休業日を有給休暇扱いにしてもいいの?」
    http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/329.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 【法人向け】CSRとコンプライアンス
       ~“当世”リーガルリスクマネジメント事情~ 第1回
    http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/csr/01.php

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「○○ジャパン」



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■ なっとく!法律相談 第182回
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  「年末年始の会社休業日を有給休暇扱いにしてもいいの?」

 □相談□

  会社が決めた全社的な年末年始休業日(12月29日から1月5日)
 を休んだところ、土日と祭日(1月1日)以外の日数を有給休暇扱
 いにされて、有給休暇日数が減らされてしまいました。それは合
 法でしょうか?
                        (50代:男性)

 □回答□

  年次有給休暇は労働者の権利ですから、使用者の時季変更権に
 よる制約は受けますが、いつ取得するかは原則として労働者の自
 由です(労働基準法39条4項)。

  もっとも、年次有給休暇の計画的付与制度が導入されている場
 合は、使用者はその定めに従って有給休暇を与えることができま
 す(同法39条5項)。
  この制度は、有給休暇が認められていても、実際にはなかなか
 行使できないことから設けられたもので、この場合、労働者の時
 季指定権も使用者の時季変更権も行使できないとされています。

  具体的には、有給休暇のうち5日を超える部分について、労働
 者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する
 代表者と書面による協定を結ばれた場合に有給休暇の計画的付与
 が認められます。
  その書面には、計画的付与の対象者(あるいは対象から除く
 者)、対象となる年次有給休暇の日数、計画的付与の具体的な方
 法などを定める必要があります。

  以上より、あなたの会社でこのような協定が結ばれている場合
 には、全社的な年末年始休業日の一部を有給休暇でまかなうこと
 も合法ということになります。
  逆に、就業規則に休日として定められている日(所定休日)を
 勝手に有給休暇扱いにすることは許されませんから、まずは就業
 規則を確認されることをおすすめします。


 [関連情報]
  ・有給休暇の買い上げは認められるのか? (なっとく法律相談)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/127.php

  ・使用者が年休を認めないことはできるのか? (職場でのトラブル)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/shokuba/kyuka5.php

  ・「これから全ての有給休暇を消化して即退職」、認めなければならない?
                         (なっとく法律相談)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/151.php

  ・年次有給休暇の買い上げ (なっとく法律相談)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/293.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 04/08/25 ~ 04/08/31 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  8月30日 社長の使い込みが発覚!役員は損害賠償を請求できる?
                         (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/328.php

  8月27日 企業のリスクマネジメント ~内部告発編 (3) (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/riskmanage/07.php

  8月26日 ネット上で非難すると名誉毀損? (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/327.php



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■ 【法人向け】CSRとコンプライアンス
         ~“当世”リーガルリスクマネジメント事情~ 第1回
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                     弁護士 三平 聡史

 1.企業のリーガルリスクマネジメントをめぐる諸問題


  近年、企業を取り巻く状況には厳しいものがある。
  不況から脱しきれないということもあるが、そのような景気の
 浮き沈みの問題だけではなく、企業の倫理や社会的責任といった
 課題も問われる時代になったと言えよう。
  背景には、国内では食品会社による衛生管理の偽装や自動車会
 社によるリコール隠しによって消費者の不信を招いたことがある。
 また、海外からは、世界的規模で市場の統一化が進み、様々な分
 野で国際標準を適用することが要求されるようになっていること
 などが挙げられる。

  企業のリーガルリスクとして、まず法律違反自体のリスクが考
 えられる。
  法律に違反した企業は監督官庁の指導や処罰を受ける。また、
 顧客から契約を解消されたり消費者に不買運動を起こされるなど
 の拡大損害につながる。これらの有形無形の損失が企業の存亡に
 かかわる事態に直面することもある。

  例えば、1997年5月に日本の自動車メーカーの在米子会社がセ
 クシャル・ハラスメント問題を起こし公民権法違反で訴えられた
 際に、米国で実際に不買運動などの動きが見受けられる。
  それから、他人の権利を侵害した場合に損害賠償を科せられる
 リスクがある。その典型的な例がPL訴訟である。製品の欠陥が原
 因で使用者が損害を被った場合、メーカーはPL法に基づく損害賠
 償請求訴訟を起こされて、巨額の賠償金を支払うことにもなりか
 ねない。

  また、企業間や個人との約束事、すなわち契約をめぐる訴訟リ
 スクもある。
  日本では、1991年に営業秘密の保護の拡充のため不正競争防止
 法が改正され、今まで書面化があまり行われてこなかった分野で、
 きちんと契約書をつくるようになるなど、契約によって権利や利
 益を保護する動きが広がってきている。

  情報化、国際化によっても法的リスクは増大する。
  例えば、独占禁止法の適用が非常に厳しい国もあれば、独占禁
 止法すら持っていない国もある。日本では許される行為が、刑事
 罰の対象となる、といった例はいくらでもある。

  このように法律が国によって異なっていることが、さまざまな
 法的リスクの原因となりうる。したがって、国際化が進めば進む
 ほど法的リスクにさらされる機会は増えていくと考えられる。
  また、世界には法体系が形成途上にある国や、法律や規則が猫
 の目のように変わったり法律の運用が人によって異なるなど、法
 環境が不安定な国がたくさんある。そうした国とかかわる場合、
 法律に関する情報収集の面で後れを取ると、大変なリスクが生じ
 る恐れがある。

  現代社会において企業が事業活動を行う上で、リスクのない環
 境は存在しない。
  このような状況の下では、いかにして、リスクの存在やリスク
 が及ぼす影響を予測するか、そしてリスクを回避あるいは軽減す
 るかといった、リスクマネジメントこそが企業経営において重要
 である。
  そのための手段としては、有機的な組織の再編成、事例研究を
 社員教育に取込むことが考えられる。
                           (続く)

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  三平 聡史 先生 プロフィール

   昭和48年5月生まれ
   平成4年4月 早稲田大学理工学部入学
   平成8年3月 早稲田大学理工学部卒業
   平成10年10月 司法書士登録
   平成14年10月 第1東京弁護士会登録

   現在、遺産相続紛争・事業承継問題、相続税対策・これ
   に付随する不動産処分(訴訟含む)、不動産紛争、会社
   支配権紛争をメインに、民事一般を取り扱う。
   企業に関しては、労働問題、コンプライアンスに関する
   相談などを取り扱う。
   クライアントの利益の実現のため、をモットーとしてい
   る。



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■ なっとく!ランキング ( 04/08/22 ~ 04/08/28 )
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。

 第1位 一気飲みを強要すると…
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/mame/mame4.php

 第2位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/143.php

 第3位 うっかりして運転免許証を紛失!
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/accident/menkyo.php

 第4位 オレオレ詐欺で振り込んでしまったお金を取り戻すには?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/324.php

 第5位 妻の浮気が原因で離婚。この上、養育費を払う義務があるのか?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/318.php


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■ 編集後記 「○○ジャパン」
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  オリンピックが閉幕した。史上最高のメダル数、最多タイの金
 メダル数と予想以上の日本選手の健闘に、夜遅くまでテレビの前
 で観戦された方も多かっただろう。
  他方で、思うような成績が残せなかった種目もあった。それら
 に「○○ジャパン」と愛称が付いていたものが多かったのは偶然
 だろうか。他の選手たちに比べて、心なしか表情も硬かったよう
 な気がする。

  私たちはついつい人に「荷物」を背負わせてしまう。それは
 「日本」だったり「会社」だったり「一家」だったりと様々だが、
 そうした「荷物」を軽くしてあげることも必要なのではないだろ
 うか。大きな荷物も大勢で手分けすれば一人で持てる量になる。
 「責任が人を育てる」という側面があることは否定しないが、そ
 うした配慮が必要なのではないかと思った夏の夜だった。
                           (三毛)

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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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