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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第277号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2006年 5月9日                         第277号
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 発行部数: 25,125部(まぐまぐ 17,223部、melma! 7,902部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第267回
    「宿泊先のホテルで盗難!」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/495.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 皆で考えよう、法の建前と現実 第17回
    「教育基本法改正-『愛国心』教育について」
    http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/17_fundamental-law.php

  □ 【新連載】離婚法律コラム「離婚の前に決めること」 第4回
    「親権 (4)」
    http://www.hou-nattoku.com/special/rikon/04.php

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「着任挨拶」



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■ なっとく!法律相談 第267回
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 「宿泊先のホテルで盗難!」


 □相談□

  旅行先のホテルで、部屋に置いていた手荷物から新幹線の切符2枚が抜
 き取られていました。どう考えても、清掃員以外の者は部屋に入っていま
 せん。
  ホテル側に切符代金相当を賠償させたいのですが、ホテル側は「部屋に
 おいてあった手荷物の管理は宿泊者の責任だし、また免責約款もあるから、
 賠償責任を負うことはない」と主張しています。
  切符代を請求することはできるでしょうか。
                            (20代:女性)


 □回答□

  ホテル等の宿泊施設では、その宿泊約款において免責条項を規定してい
 るのが普通です。それは、例えば「客に損害が生じた場合は、賠償限度を
 5万円とする」等とし、宿泊施設側の責任を大幅に免除する内容のもので
 す。
  このような免責約款については、企業側が責任を不当に免れようとする
 ものとして、法的効力を疑問視する声もありました。しかし、契約自由の
 原則(「契約の内容は、原則として当事者が自由に決定することができる」
 という私法の大原則)から、公序良俗に反するような場合を除いて認めら
 れてきたのが現状でした。

  しかし、近時最高裁判所は、「ホテル側に故意、重過失があれば、ホテ
 ルの賠償責任を限定した約款は適用されない。」との判断を示しました。

  この事案は、ベルボーイが客の手荷物を運搬中、目を放した隙に、荷物
 の中に入っていた宝石類をキャリーカーごと何者かに盗み去られたという
 ものです。
  同ホテルの宿泊約款には、「フロントに預けるなどホテル側に申告しな
 かった貴重品などに損害が生じた場合は、賠償限度を15万円とする」と
 規定されていました。このため、ホテル側は限度額を超える分の免責を主
 張していたのです。
 
  高等裁判所はホテル側の主張を認めましたが、最高裁ではベルボーイの
 過失の度合いや客側に落ち度がなかったかどうかについて、さらに審理を
 尽くすよう命じ、原審に差し戻しました。
  これを今回の事件に当てはめれば、清掃員等部屋に立ち入る機会のある
 者の教育管理、マスターキーの保管状況等につき、ホテル側に故意・重過
 失があった場合には、免責約款の制限に関わらず、ホテル側に賠償責任が
 認められることになります。

  また、ご相談文からは明瞭ではありませんが、ホテルと話し合う前提と
 して、警察に被害届を出しておくことが大切だと思います。


 [関連情報]
  ・盗難の証拠がなくても被害届を出せる?
   http://www.hou-nattoku.com/consult/453.php

  ・盗難にあった郵便貯金通帳で、お金を引き出されたが…
   http://www.hou-nattoku.com/consult/6.php

  ・知人から預かった荷物と現金が盗難に!弁償の必要はある
   http://www.hou-nattoku.com/consult/348.php

  ・バッグを又貸ししたら紛失された!誰が弁償するの?
   http://www.hou-nattoku.com/consult/364.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 06/04/26 ~ 06/05/09 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  5月 8日 息子との賃貸契約と遺産相続について
      http://www.hou-nattoku.com/consult/494.php

  4月27日 警察の取調べの後、検察から呼び出された!
      http://www.hou-nattoku.com/consult/493.php



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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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   第17回 : 教育基本法改正-『愛国心』教育について
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 一、なぜ問題となっているのでしょう

  現在、教育基本法改正の議論が活発になされています。改正案での最大
 の争点は、教育基本法に「我が国と郷土を愛する」(以下、「愛国心」と
 いう)を盛り込むべきではないか、というものです。このような考えは、
 個人主義が重要視されすぎている現在の日本社会で日本人が古来大切にし
 てきた礼節や親孝行という価値観が失われつつあることに鑑み、もう一度
 わが国の優れた文化を再認識して、「秩序ある道義国家」を足元から築い
 ていくために、教育基本法に「愛国心」を盛り込むべきだとしています。
 その背景には、現在の家庭の崩壊や犯罪の増加によって日本の社会が荒ん
 でいることに鑑み、わが国の「和を重んじる伝統と文化の尊重」をもう一
 度見直すべきであるという考えがあります。これに対し、「愛国心」を教
 育基本法に盛り込むと、過去の歴史からみて戦前・戦中の国粋主義につな
 がるおそれがある、他の国よりも自国を優先する意味合いが強すぎる、内
 心の自由が侵される、といった理由から反対する意見があります。

  さらに、教育基本法は成立過程やその基本思想から憲法と一体性をもっ
 ているため、教育基本法改正と同時に憲法改正の議論まで生じています。
  そこで今回は、日本の将来を担う子供の教育に関わる教育基本法改正問
  題について皆様と一緒に考えてみましょう。
                               (続く)

 「法、納得!どっとこむ」では、さらに

  二、教育基本法とはどういう法律でしょうか
  三、今回の改正案の要点
  四、諸外国の教育基本法に相当する法律はどうなっているのでしょう
  五、教育基本法に「愛国心」を盛り込むことの是非について

 について解説をしています。下記URLよりご覧ください。
  http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/17_fundamental-law.php


  今回のアンケートは、「教育基本法の改正-『愛国心』教育について」

  ・教育基本法を改正して「愛国心」を盛り込むことに賛成する
  ・教育基本法を改正して「愛国心」を盛り込むことに反対する

  投票は以下のページでも受け付けております。皆さんのご意見
 お待ちしております。

  http://www.hou-nattoku.com/enq/

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■ 離婚法律コラム「離婚の前に決めること」 第4回(全18回)
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 「親権 (4)」

  前回は、親権のトラブル対処法について簡単にご説明しました。今回は、
 タイトルからは少し脱線をしますが、離婚前の親権の交渉にあたり、子が
 配偶者に連れ去られた場合の法律手続きについてご紹介します。
  子の連れ去りは「警察に通報」と思われるかも知れませんが、夫婦間で
 別居中の子を連れ去られた場合、よほど暴力的で事件性のあるものでなけ
 れば、警察は動かないことが一般的です。
 
  このような場合は、以下の手続きを行って下さい。


  1.家庭裁判所に「子の引渡し」の調停を申し立てる方法。
  
  調停による話し合いが不成立となった場合は、自動的に審判手続きとな
 り、必要と認められれば、裁判所に引渡しを命じてもらうことが出来ます。
  また、子どもに差し迫った危険がある場合などは、申立てから1ヶ月程度
 で仮の引渡しを命じてもらえる制度もあります。


  2.人身保護法による引渡請求をする方法。

  子の意思に反して「拘束」されている場合などは、緊急を要しますので、
 人身保護法による子の引渡請求をすることが出来ます。
  この方法は、緊急性を要する場合の手続きですので、弁護士を通じて行
 うことが原則となっています。
  なお、(2)の後で(1)を請求することも可能ですし、(1)と(2)を平行して
 行うことも可能です。また、(1)は比較的に簡単な手続きですので、弁護士
 に依頼をしなくても行うことが出来ます。


  コラム第2回目でご説明しました通り、子の生活環境の原状維持が親権を
 判断する基準のひとつとなっていることから、それを期待した連れ去りが
 見受けられます。しかし、短期間ではあまり関係がない上に、親としての
 適格性に欠けると判断される可能性もありますので、強引な連れ去りはお
 すすめしません。
 
  親権のご説明もくどくなって来ましたので、次回は養育費のご説明に移
 ります。
                               (続く)


         執筆: 行政書士 夛治川 満之
             http://tajikawa.infoseek.ne.jp/
         ※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません
         ※ このコラムは平成18年3月に執筆されたものです。



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■ なっとく!ランキング ( 06/04/30 ~ 06/05/06 )
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 第1位 違法駐車取締りの民間委託について
     http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/06_illegal_parking.php

 第2位 警察の取調べの後、検察から呼び出された!
     http://www.hou-nattoku.com/consult/493.php

 第3位 乱交パーティーに参加しても摘発されない?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/489.php

 第4位 うっかりして運転免許証を紛失!
     http://www.hou-nattoku.com/car/menkyo.php

 第5位 公務員の懲戒処分
     http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo61.php



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■ 編集後記 「着任挨拶」
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  今週からメルマガの編集を担当します新人のOです。
  この場を借りて、読者の皆様にご挨拶をさせていただきたいと思います。

  私の担当はこのメルマガを始めWEBページの管理・作成から、社内のパソ
 コンのメンテナンス等、様々なスキルを要求されるポジションです。

  当初、想像していた以上にこの業務は大変で、
  パソコン関係の事から、基本的な文章作成まで厳しい先輩からお叱りを
 受ける毎日です。
  自分自身の至らなさを痛感しています。

  この先「法、納得!」とメルマガをいかに成長させ、よりよいものにし
 ていくか・・・
  正直不安な気持ちもありますが、任された業務にはとてもやりがいを感
 じています。

  まだまだ未熟な所は多々ありますが、
  これからの努力を見守っていただければと思います。
  精一杯頑張っていきたいと思います。
  どうぞよろしくお願い致します。

                                 (O)



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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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法律相談の応募: http://www.hou-nattoku.com/ask/
登 録 ・ 解 除: http://www.hou-nattoku.com/magazine.php
バックナンバー: http://www.hou-nattoku.com/mailmag/
ご意見・ご感想: https://www.hou-nattoku.com/opinion/
その他お問合せ: staff@hou-nattoku.com(メール)
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