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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第283号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2006年 6月20日                         第283号
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 発行部数: 25,149部(まぐまぐ 17,311部、melma! 7,838部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第273回
    「些細なトラブルで訴えられそうなのですが・・」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/507.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 皆で考えよう、法の建前と現実 第18回
    「利息制限法と『グレーゾーン金利』について」
    http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/18_interest.php

  □ 離婚法律コラム「離婚の前に決めること」 第10回
    「財産分与 (2)」
    http://www.hou-nattoku.com/special/rikon/10.php

  □ なっとく! ランキング

  □ お知らせ

  □ 編集後記 「死刑と無期の境」



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■ なっとく!法律相談 第273回
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 「些細なトラブルで訴えられそうなのですが・・」


 □相談□

  先週の日曜日、職場の仲間と飲みに行ったときのことです。お開きになっ
 た後、帰る方向が同じである女性Aさん(30代)と二人で帰途につきました。
 大通りは車の音がうるさくて話ができないと思い、大通りの一つ裏の道を
 通ることにしました。
  ところが、私はお酒が入っていたこともあって気分が高ぶってしまい、
 暗い道の方へ無理やり向かったり、ホテルに誘ったりしました。しかし、
 Aさんの胸やお尻を触ったり、キスをしたり、暴力を振るうようなことは一
 切していません。結局、Aさんを家の近くまで送り届け、帰りました。そし
 て、翌日の朝、「今度また飲みに行きましょう」とメールしました。
  すると火曜日の夜、一緒に飲みに行った仲間から連絡があり、Aさんがと
 ても怒っていて、場合によっては法的な事も考えている、とのこと。私は
 すぐに謝罪の連絡を入れました。するとAさんは、「嫌がる女性を無理やり
 暗い道に連れて行き、嫌がる女性をホテルに誘って連れて行こうとした行
 動は犯罪である」と言ってきました。また、「あなたの言動によって私は
 恐怖を感じ、日常生活を送るのに支障をきたしています。今後次第では専
 門家等にかかりますので、その時は宜しく。では。」との連絡がありまし
 た。
  私は酔ってはいましたが、無理に触ったりしていないことは確実に覚え
 ています。そこで質問なんですが、私のしたことは何か犯罪になるのでしょ
 うか?もしそうであれば、どのような処罰を受け、慰謝料はどれくらいに
 なるのでしょうか?
                            (20代:男性)


 □回答□

  ご相談文に書かれたとおりの事実しかないのであれば、結論から言えば、
 あなたは何の罪にも問われないし、慰謝料を払う必要もないと考えます。
  皆さんから寄せられる相談を拝見していて、最近の傾向の一つとして、
 物事のバランス感覚というか、常識的に判断することができなくなってい
 ることがあるように感じます。
 
  些細なことで慰謝料を請求しようとしたり(そして払ってもらえると思
 い込んだり)、訴訟を起こす等と言っていたずらに相手を困らせようとす
 る傾向があるようです。なぜこんな傾向が生じているのかは分かりません
 が、「被害者」側の法的知識の不足や、法律系TV番組などの影響があるの
 かもしれません。
 
  一口に「慰謝料を請求する」といっても、それなりの準備や交渉(駆け
 引き)が必要ですし、相手が弁護士を立ててくることもあります。訴訟と
 なるとなおさら大変です。また、罪のない人をことさら訴えたりすれば、
 その行為自体が犯罪です(虚偽告訴罪、刑法172条)。

  まず、刑事責任ですが、仮にこの女性が被害届を出したとしても、十中
 八九、警察は動かないでしょう。なぜなら、成立しうる犯罪は強制わいせ
 つ罪(刑法176条前段)ですが、本件の事情の下で、当罰性のあるほどの行
 為はなされていないと思われるからです。警察はそれほど暇ではありません。
 
  あなたの誘いが本当に迷惑だったのなら、「ホテルへ行こう」と言われ
 た時点で別れて一人で帰れば良いのです。身の危険を感じるような相手に
 自宅近くまで送らせたという方が不自然です。警察に訴えたとしても、彼
 女はこの点について合理的な説明を求められることでしょう。

  次に民事責任ですが、この程度の事件で不法行為に基づく損害賠償が請
 求できることはまずありません。「請求できない」というのは、「訴訟を
 起こしても請求は棄却されるであろう」という意味です。訴訟を起こせば、
 弁護士費用と印紙代だけで足がでてしまうでしょう。セクハラを理由とす
 ることも考えられますが、双方とも飲酒していたという事情の下では認め
 られにくいでしょう。

  もちろん、訴訟外で、メールや内容証明郵便で支払い請求することはで
 きますし、あなたが彼女に悪いことをしたと思って応じるなら別です。し
 かし、彼女には既に何度も謝っていることですし、そこまでの必要もない
 と思います。一度支払うと、それに味を占めて何度も請求する人もいます。

  なお、PTSD(犯罪等による心的外傷後ストレス障害)を理由に訴えを起
 こすことは、症状や事件との因果関係の証明の点で、原告にとって非常に
 難しい訴訟であることを付け加えます。



 [関連情報]
  ・心当たりがないのに訴えられたら
   http://www.hou-nattoku.com/consult/238.php

  ・元カレにいたずらメールを送ったところ、「訴える」と言われたが…
   http://www.hou-nattoku.com/consult/222.php

  ・合意の上だったのに強姦容疑で逮捕される?
   http://www.hou-nattoku.com/consult/427.php

  ・慰謝料(慰籍料)
   http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo25.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 06/06/14 ~ 06/06/20 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  6月19日 法律による問題解決について   
      http://www.hou-nattoku.com/consult/506.php

  6月15日 新聞奨学生を辞めたいんですが・・      
      http://www.hou-nattoku.com/consult/505.php



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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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 ┌───────────────────────────────┐
   第18回 : 利息制限法と『グレーゾーン金利』について
 └───────────────────────────────┘

  今週もアンケートの途中経過といただいたご意見の中からいくつかピッ
 クアップしてお送りします。


 ▼アンケートの途中経過(投票総数: 1227票)


 設問: 利息制限法と『グレーゾーン金利』について

  過剰融資や安易な機械による貸付、違法な取立等を行わないように
  法令を遵守させつつ、グレーゾーン金利は維持すべきである。
  || 55票 (4%)
  
  グレーゾーン金利自体を廃止すべきである
  |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 1172票 (96%)

                       (6月20日 15時30分現在)


 ▼いただいたご意見(読みやすいように一部編集しています)

 【過剰融資や安易な機械による貸付、違法な取立等を行わないように
  法令を遵守させつつ、グレーゾーン金利は維持すべきである。】

 ・グレーゾーン金利を廃止すべきが現時点で94%。呆れて物も言えないが、
  これが日本社会そのものであると思う。つじつまの合わないことは好き
  ではないのである。つじつまの合わないことを好きになれといっている
  わけではない。
  
  世の中、すべてつじつまが合うようにはできていないのである。わかり
  やすい例でいえば、売春防止法であろう。売りたい人と買いたい人はど
  んな時代にもいる。すなわち、売春とは人が生きている以上、必ず行わ
  れる行為である。
  
  もちろん、人の道に反していることもあり、誉められたものではないが、
  それ自体は法律に触れることはない。それにも関わらず、それを禁止す
  る法律を作ろうとする動きは、自分の目に触れるところには置きたくは
  ないという大変身勝手な理由からである。そして、そのような人は、自
  分の目に触れないようになれば、売春そのものが日本からなくなったと
  大いに勘違いしていることが多い。
  
  実際にそのような法律ができてしまえば、売春は人目には触れなくなる
  が、アンダーグラウンドの世界ではびこり、目もあてられない状況にな
  ることは必死である。すなわち、どんな法律を制定しても、必ず行われ
  る行為は、禁止するのではなく、推進とまではいかなくても、この程度
  ならよいですよと法律で許可するようにし、人目にさらすことで監視を
  行うことが重要なのである。サラ金も全く同様の理論が成り立つと思わ
  れる。
  
  よって、法律によりグレーゾーンをなくすということは、法律で救済す
  ることができない人を増やすだけであり、そのようなことは断固として
  反対である。
                            (30代:男性)


 【グレーゾーン金利自体を廃止すべきである】

 ・グレーゾーン金利自体を廃止すべきである
  高い金利で得をするのは、消費者金融だけ。

  借りてる人にしたらちゃんと返したいのに、金利ばかり払って元金が減
  らず何をしてるかわからないと思う。
  グレーゾーンをなくすことによって元金も減り、破産や債務整理をする
  こともなくなるのではないか?

  みんな借り手は、誰もグレーゾーン金利を任意で払ってるわけではない
  と思う。
  わけもわからずただ請求されたということで払っている人がほとんどだ
  と思う。

  任意調停などをして、金利の引きなおし計算をし払わなくてもよくなる
  グレーゾーンなら最初からないほうがいい。
  グレーゾーンをなくしたとしても、それでも銀行に比べたら高い金利な
  のだから。
                            (20代:女性)


  今回は2名の方の意見を掲載させていただきました。
  この他にも多くのご意見をいただいています。刻々と変化するアンケー
  ト結果やその他のご意見を読みたい方は、

  http://www.hou-nattoku.com/enq/view_opinion.php

 にアクセスしてみてください。引き続き、ご意見お待ちしております。
 
 >> http://www.hou-nattoku.com/enq/




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■ 離婚法律コラム「離婚の前に決めること」 第10回(全18回)
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 「財産分与 (2)」

  前回の「清算的財産分与」についてのご説明通り、夫婦が協力により得
 た財産は、「共有財産」として財産分与の対象となります。今回は、財産
 分与の対象となる「共有財産」の具体例ついてご説明します。


 1.婚姻期間に夫婦が得た財産

  別居中の収入は、夫婦の協力により得た財産ではありませんが、単身赴
 任などで婚姻関係が破綻していなければ、財産分与の対象とすることにな
 ります。また、不貞行為などをした夫が一方的に出て行った場合の別居期
 間中の収入も、財産分与の対象とすることが一般的です。

  その他、宝くじなどの当選金は、購入費用の範囲で財産分与の対象とな
 りますが、当選金は夫婦の協力とは関係なく得られた財産ですので、「特
 有財産」として財産分与の対象にはならないです。


 2.名目上の会社の財産

  小規模な会社で、実質的には個人事業となっている場合は、その会社の
 財産も財産分与の対象となることがあります。


 3.家族の共同経営

  配偶者の実家で共同経営を手伝った場合などは、仮に給料を受け取って
 いましても、その経営への貢献に応じて分与を受けられることがあります。


 4.無形財産

  婚姻期間中に主婦が医師などの高収入資格を取得した場合などは、夫の
 協力により得られたものとして、財産分与の対象となることがあります。
 しかし、現実にはそのような事例は少なく、金額での評価も難しいため、
 実務ではあまり関係のない部分です。


 5.退職金および年金

  定年退職の5年前までであれば、定年退職時の退職金から、離婚または別
 居から定年までの年数の割合を差し引いて、財産分与の対象とすることが
 一般的です。そうでない場合は、離婚または別居時で退職すれば得られた
 と思われる退職金の額が、財産分与の対象となります。年金については次
 回ご説明します。
                               (続く)


         執筆: 行政書士 夛治川 満之
             http://tajikawa.infoseek.ne.jp/
         ※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません
         ※ このコラムは平成18年3月に執筆されたものです。



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■ なっとく!ランキング ( 06/06/11 ~ 06/06/17 )
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 第1位 退職するのって自由なの?
     http://www.hou-nattoku.com/shokuba/taisyoku1.php
     
 第2位 会社に受理してもらえない退職願!
     http://www.hou-nattoku.com/consult/40.php

 第3位 「これから全ての有給休暇を消化して即退職」、認めなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/151.php

 第4位 不正競争防止法で保護される権利
     http://www.hou-nattoku.com/special/ipr/13.php

 第5位 辞めた会社からの呼び出し
     http://www.hou-nattoku.com/consult/291.php



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■ お知らせ
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 ★皆様のメルマガに対するご意見をお聞かせください。
  どんな些細なことでも結構です。
  また、取り上げて欲しい話題・ご質問などもお待ちしております。
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  ご希望の方は、メールにてご連絡下さい。
  5,000部以上の発行者様からのご連絡をお待ちしています。



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■ 編集後記 「死刑と無期の境」
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  刑事事件判決において、無期か死刑かは、まさに天国か地獄を分けるほ
 どの差があるといわれている。
  無期ならば、服役中おとなしくしていれば、そのうち娑婆に出てこれる
 だろう。
  しかし、死刑判決が下れば、二度と再び自由の身になれることはない。
  死刑は午前中に執行されるが、本人には当日まで知らされることはない。
  そのため、毎日毎日、今日は来るかと不安に怯えて、残りの人生を過ご
 さなければならない。

  死刑か無期か、何を基準に判断するのか。
  永山事件では一定の基準が示された。永山基準と言われている。
  しかし、当たり前のことだが、事件も被告人も被害者も、それを取り巻
 く社会状況も、二つとして同じ事件はない。

  本日、最高裁は、光市母子殺人事件の原審判決を破棄し、広島高裁に差
 し戻した。
  これにより、一審・原審で無期だった被告人に、死刑判決が下される可
 能性が出てきた。

  憲法は、残虐な刑罰を禁止している。
  そして、死刑はそれに当たらないとして、毎年何名かが死刑囚となり、
 刑を執行されている。
  裁判員制度導入が間近い今、裁判員として、私たち国民は誰もが、死刑
 か無期かに悩む立場に立つ可能性がある。

  死刑制度について、刑罰の役割について、今こそ真剣に考えてみたい。
  
                               (ありま)



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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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法律相談の応募: http://www.hou-nattoku.com/ask/
登 録 ・ 解 除: http://www.hou-nattoku.com/magazine.php
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その他お問合せ: staff@hou-nattoku.com(メール)
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