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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第177号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 4.20                           第177号
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 発行部数:15,751部(まぐまぐ13,763部、melma!1,988部) 毎週火曜日配信
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第165回
     「駐車違反(悪質)について」

  □ 【法人向け】1年で株価を4倍にしたIR 最終回

  □ なっとく! ランキング

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 編集後記 「『自己責任』というコトバ」


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■ なっとく!法律相談
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  第165回 「駐車違反(悪質)について」

 □相談□

  駐車違反が2年で10回を超え、警察から「悪質」と判を押され
 た出頭ハガキが送られてきました。
  しかし、納得がいきません。確かに、その場所に運転して行っ
 たのは私なのですが、駐車し放置したのは他の人物だからです。
 ですがそれを証明しようがありませんし、警察には強い不信感が
 ありますので、直接言いに行くこともせず無視してきました。
  こういう場合、どうしたらいいでしょうか?
                        (20代:男性)

 □回答□

  「駐車違反」は日常的によく行われる違反ですし、切符を切ら
 れた方も多いのではないかと思います。しかしいくら軽くても、
 法律上は特別法違反に違いありません。
  取締りがあったとき、現場で事実確認の上署名をなさったと思
 いますが、他の人物が駐車したのなら、取締官にはっきり説明す
 るべきでした。車両の運転者が車を止めたと思うのが普通ですか
 ら、黙っていては警察に分かるはずがありません。

  運転していったのはあなたでも駐車したのが他人なら、あなた
 は駐車違反を犯していません。行為していないことで罪に問われ
 ることはないのが法の原則です。犯していない罪について認める
 ことはないのです。結果的にあなたは、真の犯人を知っていなが
 ら隠していたことになるのです。
  このような行為は、犯人蔵匿罪(刑法103条)にあたります。
 罰金以上の罪を犯した者や拘禁中に逃走した者を匿(かくま)っ
 たり、発見や逮捕を困難にさせるような行為をすると、この罪に
 問われます。

  駐車違反は道路交通法で罰金刑が科されている罪であり、あな
 たがした行為は真犯人の逮捕を困難にしています。その上10回に
 わたる違反はあなたが犯したことになっているのです。
  警察に不信感をお持ちであろうとも、必要な時には事実を述べ
 なければなりません。
  中途半端な態度を取るべきではありません。

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■ 【法人向け】1年で株価を4倍にしたIR 最終回
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              IRコーディネーター  武田 貞晴

 5.結論=ズバリ株価を上げるためには

 (1) 機関投資家と個人投資家

  株価を考える場合、機関投資家と個人投資家はよく「車の両輪」
 にたとえられるが、それは「左右の両輪」ではなく「前後の両輪」
 だと考えるべきである。もちろん機関投資家が前輪である。株価
 の方向を定め(フェアバリュー)、ぐいぐい引っ張っていくのが
 前輪の機関投資家であり、後ろから付いていくのが後輪の個人投
 資家である。ここを履き違えると全くピントのずれた、あるいは
 費用ばかりかかる空回りしたIRになってしまう。力強い上昇ト
 レンドの株価などはとても期待できない。まさに「選択と集中」
 が求められるのである。

 (2) 機関投資家へのアプローチ

  近道はない。地道にセルサイドのアナリスト、バイサイドのア
 ナリスト、ファンドマネージャーといった機関投資家廻りを行う
 べきである。その場合、長期保有を行う年金、外資系、投信等を
 中心に、しかもできればトリプルAクラスの機関投資家を中心に
 廻るべきである。間違っても証券会社の言うままに廻ってはいけ
 ない。彼らは商売になる先(株式の注文を出してくれる先)なら
 ヘッジファンドでもどこへでも連れて行くからだ。自社の将来の
 優良な株主を探すわけだから、2日間で10社廻るなら半分の5社ぐ
 らいは少なくとも自社でアポ取りを行うべきである。それぐらい
 の慎重さと熱意がなければとても機関投資家へのアプローチは成
 功しない。

 (3) 社長よりIR担当者

  「社長は半期に一度決算説明会で顔色を確認できれば良いが、
 IR担当者とは毎月の業績フォローやその内容確認、レポートを
 書く際の資料依頼等々で頻繁に連絡しあっている」
  これはアナリストからみた企業側の一面であるが、これからも
 判るとおりIR担当者のIRにおける比重は経営トップと変わら
 ないぐらい重要である。社長がIRの表の顔で、IR担当者は裏
 の顔だと言われる所以である。業界に詳しいアナリストや海千山
 千のファンドマネージャー達と、「中期計画でPERは何倍にな
 る」「EPSはいくらの見込み」などと、有価証券報告書や決算
 短信をめくりながら丁丁発止でやれる人物でないととても務まら
 ない。
  さらに付け加えると日経新聞や業界紙といったマスコミ、連日
 のように来社する証券会社担当者等とも上手く付き合える能力が
 ないとIR担当者は務まらない。つまり性格的には明朗快活で責
 任感が強く、知識的には自社の営業内容や中長期のビジョンを社
 長に代わり説明でき、さらに金融と証券についても相当なレベル
 のものを有していることが不可欠である。そうして初めてアナリ
 ストやファンドマネージャーから人間的にも能力的にも信頼され、
 スムーズな対話が成立するのである。これはチームとして力を発
 揮する大企業にも当てはまる事であるが、中堅企業の場合にはな
 おさらである。中堅企業のIR担当者は、絶対に社内でもトップ
 クラスの人材を当てるべきなのである。

 (4) 最初の2年が勝負

  IRは株式公開(上場)後2年間が勝負とよく言われる。これ
 は最初の2年間にしっかりとしたIRを行わなかったら、あっと
 いう間にマーケットから忘れ去られてしまうと言うことである。
 現在年間150社程の優良企業が新規株式公開(上場)を行ってお
 り、2年で300社程になる。
  次々と優良企業がマーケットに登場する中で、アナリストやファ
 ンドマネージャーに評価されるためには、最初に計画的なIRを
 行い、彼らにその存在を強くインプットしておかなければならな
 い。時間が経ち、いったんマーケットでくすぶった存在になって
 しまうと、再びIRを軌道に乗せるのには大変な労力と費用がか
 かる。しかも十分な結果を得られる保証はない。
  ずっとIRを行っておらず、最近IRを開始しようとした会社
 でアナリストやファンドマネージャーから無視され、個別訪問も
 受けてもらえない会社を何社も知っている。だからこれから株式
 公開を行おうとしている会社や、公開後間もない会社はぜひ「最
 初の2年が勝負」であることを肝に銘じてIRを行ってもらいたい。


 6.終わりに

  紀伊国屋書店でIR関係の本を探したが、表紙にIRの文字が
 書かれているのは僅か10冊ぐらいしか見当たらなかった。それも
 大学教授や証券系IR会社の関係者によるものがほとんどで、実
 際に自らアナリストやファンドマネージャー達とガンガンやりあっ
 たと思える人によるものは皆無であった。だから書かれた本もと
 てもIRの実務に役立つとは思えなかった。明日からの経営にす
 ぐ役立つものを求める経営者に対し、ケインズの経済原論を説い
 ているようなものである。読み終えて、翌日からすぐにやってみ
 よう、真似てみようと思う内容が全く無いのである。
  そう言う私も掲載スペースの関係もあり、IR手法について詳
 しくは書けなかった。特に私自身やってみて効果のあったIR手
 法や教科書に載っていないIR手法についてもう少し具体的に書
 ければ良かったと思っている。ただ実際にIRを行っているもの
 として、中堅企業やこれから株式公開を考えている企業に対し、
 株価に直結した、より実践的なIRのヒントのようなものを少し
 は示せたのではないかと思っている。
  将来機会があるなら、私自身こういった中堅企業や新興企業に
 出かけ、いっしょになって最小限の費用と労力でできる効率的な
 IRを実践し、しっかりとしたIR体制とマーケットから十分評
 価された株価をつくることができればと願っている。
                          (終わり)

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  武田 貞晴 プロフィール

   昭和52年、京都大学経済学部卒業後、大手都銀に入行。
   国内支店、海外勤務、国内支店長を経て、現在は東証
   二部上場会社で経営企画室長として活躍する一方、中
   堅企業のIR実務を担当指導するIRコーディネータ
   ーとしても活躍中。


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■ なっとく!ランキング
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。         (04/04/11~04/04/17)

 第1位 危険運転致死傷罪
     http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo50.php

 第2位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/143.php

 第3位 どうして男性だというだけで???
     http://www.hou-nattoku.com/consult/290.php

 第4位 「捨印」って、必要なの?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/275.php

 第5位 辞めた会社からの呼び出し
     http://www.hou-nattoku.com/consult/291.php

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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。(04/03/31~04/04/06)

  4月15日 年次有給休暇の買い上げ (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/293.php

  4月19日 ネットオークションのコメント内容
                     (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/294.php


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■ 編集後記
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  「『自己責任』というコトバ」

  イラクで拘束されていた方々に、ずいぶんと批判が集中してい
 るという。かかった費用を返せという人までいるそうだ。
  そのうえ、政府与党からは「自己責任」というコトバが飛び出
 すようになった。これはずいぶん、危険な傾向なのではないだろ
 うか。
  なぜなら、それ自体がリッパな内容を持つコトバだから。そん
 なコトバを持ち出されたら、反対できなくなってしまう。「自己
 責任」を取らなくてもいい、「自己責任」という考え方はおかし
 い、とはなかなか言えない。

  しかし、今回の事件は彼らが自己「責任」を負うべき場合なの
 かどうか。まずそれから考えるべきところ、頭から「自己責任」
 を前提に論議を始めるのはおかしいのではないだろうか。これは、
 拘束された3人に対する意見とは別の問題だと思う。
  したり顔して「自己責任」などというべきでない。それを言う
 なら、アメリカも「自己責任」で「責任」を取るべきということ
 になる。
                          (みゆき)

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監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 片岡 全樹
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