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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第178号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 4.27                           第178号
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 発行部数:15,802部(まぐまぐ 13,788部、melma! 1,991部、Macky! 23部)
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[次週休刊のお知らせ]
  毎号ご愛読いただき、読者の皆さまには深く感謝申し上げます。
  さて、次週5月4日はゴールデンウィークの大型連休中であるため、
  メールマガジンの発行をお休みさせていただきます。
  次回発行は、5月11日となります。お楽しみに!!

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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第166回
     「『代理人弁護士』の役目って何?」

  □ 【法人向け】消費者契約法と企業の対応 第1回

  □ 【法人向け】法務会計について 第1回

  □ なっとく! ランキング

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 編集後記 「伴侶のいる暮らし」


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■ なっとく!法律相談
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  第166回 「『代理人弁護士』の役目って何?」

 □相談□

  ある電話会社から未払いの電話料金を支払ってほしいとの請求
 を受けましたが、一括では支払いが困難なため、分割払いにして
 ほしいと希望しました。
  担当者は、期日は特に指定しませんでしたが、「早く支払わな
 いと債権が移行します。何回の分割にするかを決めたら連絡をす
 るように」と言われました。
  その後、支払いの目途が立たないため連絡しないでいましたら、
 「代理人弁護士」と名乗る方から「当職は、債権者より貴殿の債
 権の管理を受理致しました。よって今後は、当職が一切の窓口と
 なります。」との通知書が送られてきました。
  以前、債権代行業者では、債権元からの通知書が来なければ支
 払う義務はないと聞いたことがあります。弁護士はこの規定を守
 らなくていいのでしょうか?
                        (30代:男性)

 □回答□

  債権譲渡の通知は、債権者からなされなければなりません(民
 法467条1項)。これは債務者の利益を保護する規定です。
  債権回収を代行者にさせる場合も同じで、債権者からの通知が
 なければ、債務者は安心して債務を履行することができません。
 最近、債権回収代行業者を騙る者が急増していることはご存知で
 しょう。債権者からの通知がなければ、支払いに応じる義務はあ
 りません。
  しかし、債権の管理者として弁護士が「窓口」になることは、
 よく似ているのですがこれとはちょっと異なります。その弁護士
 は債権を譲渡されたわけでもなく、債権回収の代行を請け負った
 わけでもないからです。

  弁護士は、債務者との話し合い、連絡など債権の管理にかかわ
 る一切を債権者に代わってするという代理契約(99条以下)を電
 話会社と結び、その通知をあなたにしたのです。この代理契約に
 したがい、支払計画の相談などにはその弁護士が対応します。そ
 れは法律上も問題のない方法であり、あなたの不利益にもならな
 いことです。あなたは電話会社の担当者にした相談を、今後は弁
 護士相手になさればよいだけです。
  そして、「代理人として本人のために行なう」と知らせること
 ―これを「顕名」といいます―は、本人からしても代理人からし
 てもよいことになっています。ご心配なら債権者に問い合わせ、
 その上で弁護士を窓口になさればよいと思います。

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■ 【法人向け】消費者契約法と企業の対応 第1回
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           寺村総合法務事務所 行政書士 寺村 淳

 はじめに

  はじめまして。行政書士の寺村と申します。
  今回から5回にわたり、「消費者契約法と企業の対応」と題し、
 平成13年4月施行の消費者契約法を中心とした消費者保護法制へ
 の企業サイドからみた対応について見ていこうと思います。
  なお、消費者契約法についての概説書などはかなりの数が書店
 などに出回っていますので、ご存知の方も多いと思われます。従っ
 て、ここでは、出来るだけ企業の取引からの観点からの説明を心
 がけるとともに、契約締結プロセスという視点から、企業が契約
 交渉をしていく中において求められる一般的義務をも視野に入れ
 た記述をしていこうと思います。


 1.消費者保護法制の概観

  消費者契約法の内容やそれに対する取り組み方を述べる前に、
 まず消費者保護法制の全体像を概観しておきます。
  消費者保護のための法制度の全体像は、次のように纏められる
 と思います。

 1)業法による参入規制

  各種の○○業法というものがあります。例えば宅地建物取引業
 法は、不動産取引を行う事業者は都道府県知事または国土交通大
 臣の「免許」を取得しなければならない、と定めています。その
 他保険業法、建設業法、旅行業法、鉄道事業法、運送事業法、電
 気通信事業法などその数は相当数にのぼります。考えようによっ
 ては弁護士法や行政書士法なども消費者保護法的な部分も有して
 いると考えられるでしょう。

  これら各種業法は、取引の適正化や消費者利益の保護とともに
 その業界の発展を目指したものであって、消費者保護だけを目的
 とした制度ではないため、消費者保護としてはどうしても限界が
 ありました。また全ての業種について業法を制定することは難し
 く、また制定できたとしても後手後手に回ることが多いため、ど
 うしてもすきまが生じてしまうという点でも限界があったと言え
 るでしょう。

 2)クーリングオフ制度

  上記のような個別の業法による規制と共に消費者保護の基本を
 なしてきたのが、旧訪問販売法、割賦販売法などに規定された
 「クーリングオフ」の制度です。これは、ある特定の商品や役務
 に関する契約を締結した場合に、8日とか14日などという短期間
 であれば無条件の契約の取消を認める制度です。この手法は、宅
 建業法や保険業法などにも取り入れられており、消費者契約法が
 できた現在でも消費者保護にとって依然として重要な位置を占め
 ていると言えるでしょう。

 <なお、従来の訪問販売法は、平成13年に特定商取引法と名前が
  変更になり、併せて「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」
  「連鎖販売取引(ねずみ講)」「特定継続的役務提供取引」
  「業務提供誘引販売取引(モニター商法)」の6つとネガティ
  ブオプションを規制する法律として生まれ変わりました。>

  このクーリングオフの特徴をまとめていうと、(1) 行使期間が
 短期に制限されている、(2) 対象となる取引が限定されている、
 (3) 事業者の故意過失が必要とされていない、ということになる
 でしょう。これと後述の消費者取消権との違いを比較してみるこ
 とによって、それぞれの特徴が浮かび上がってくると思われます。

 3)消費者契約法による一般的取消権の創設

  平成13年から施行されたもので、消費者に対し、事業者が不実
 告知などを行った場合、商品・役務の種類に拘わりなく一般的に
 取消権を与えること、及び一定の不当な契約条項について無効の
 主張が出来る権利を与えることなどを内容としている法律です。
 この内容についてはこれから詳細に説明していこうと思います。
                           (続く)

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  寺村 淳 プロフィール

   札幌市出身。昭和54年東京大学法学部に入学。在学中は
   市民無料相談を行う法律相談所に所属。卒業後、新日本
   製鉄株式会社入社。契約/知的財産担当マネジャー、総
   務担当マネジャーなどを経て退職。
   現在、寺村総合法務事務所を開設し、契約、会社法務、
   離婚相続、消費者法務などの分野で、行政書士・経営コ
   ンサルタントとして活躍中。

   Homepage  http://www1.ttcn.ne.jp/~solicitor/


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■ 【法人向け】法務会計について 第1回
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             佐々木法務会計事務所 佐々木 賢一
             (行政書士・1級建設業経理事務士)

  法務会計のトータルシンキングのみがゴーイング・コンサーン
 (永続企業性)を支える唯一の手法であるものと考える。ゴーイ
 ング・コンサーンのためには、企業は利益を出し続ける必要性が
 あるわけだが、その際に効果を発揮するのが、管理会計・マーケ
 ティング・マネジメントの各種手法である。

  しかしながら、予算決定時等において、上記のような会計学・
 経営学的思考に基づく、利潤あるいは利益の極大化のみを考え、
 法務思考に欠けた、計画立案を行ない、それにそった行動を行な
 うということになると思わぬところで、各種業法等の特殊行政法、
 経済法、社会法等の網にかかってしまい、当初の計画にない、損
 害賠償、課徴金、罰金支払、不祥事による企業イメージの低下、
 経営者や従業員の逮捕等となり、場合によっては、倒産に至り、
 ゴーイング・コンサーンが果たせなくなってしまい、当該企業に
 関わる多くの人々を不幸にする。

  よって、企業創業あるいは次年度計画の段階から、利潤利益の
 極大化と法的リスクに関するガードを交差させながら(この思考
 を法務会計的思考という)、計画立案意思決定すべきものである
 はずなのだが、残念ながら日本企業においては、頻繁に伝わる企
 業不祥事の新聞報道等を見ればわかるように、法的リスクガード
 に関する考慮はほとんどなされていない場合が多いのではないか
 と思われる。

  加えて、契約担当者等の営業担当者は、管理会計的思考が欠落
 し、管理会計等の合理的思考、契約法務管理等を無視した人情で
 あるとか、付き合いであるとかの非合理なものを優先するどんぶ
 り勘定交渉を行なう例が、多々あるのではないかと考える。

  また、法務思考を優先するスタッフ(顧問士業・法務部員等)
 は、保守主義的思考に偏り「あれもダメ、これもダメ」症候群に
 陥る傾向が強く、そのアドバイスが時として経営者が頭に描いて
 いる果敢な経営戦略を阻害する要因ともなり得る。

  現状の不況や企業の不祥事等、日本社会を取り巻く様々な苦難
 の根源は、各社会のリーダーに、バランスの取れた「法務会計」
 思考が、著しく欠落していたというところに原因があるのではな
 いだろうか?

  法務、会計、マネジメントいずれかに重点を置くのではなく、
 三者のほどよいバランスの中で、行動指針を見出す、これこそが、
 法務会計的思考であるが、この法務会計という哲学が人口に膾炙
 (かいしゃ)することによって、現在の危機的状況から脱するこ
 とができるのではないかと思う。偏った思考こそが弊害のもとと
 なる。
  バランスのとれた思考、社会科学全般的思考・・つまり法務会
 計的思考こそが、ゴーイング・コンサーンのための唯一の手法で
 あることは明らかなわけであるが、21世紀の各社会のリーダー達
 は、この新しい手法である法務会計を駆使し、企業・個人のゴー
 イング・コンサーンをサポートすることこそが課せられた使命で
 はなかろうか。
                           (続く)

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  佐々木 賢一 プロフィール

   1966年生、1998年行政書士登録。
   業務分野は、各種許認可手続実務、契約書作成実務、法
   務会計実務、管理会計実務等。建設業団体、各地行政書
   士会等にて法務会計などに関する講演多数。
   著書に「現代ビジネス法辞典」(嵯峨野書院 2002年)、
   「わかりやすいマンション管理士・管理業務主任者テキ
   スト」(東京法令出版 2003年)他。(いずれも共著)
   現在、大阪府行政書士会知的財産研究特別委員会副委員
   長を務める。

   Homepage  http://homepage3.nifty.com/sasakihoumukaikei/


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■ なっとく!ランキング
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。         (04/04/18~04/04/24)

 第1位 資源ゴミを取っていくのは犯罪?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/251.php

 第2位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/143.php

 第3位 辞めた会社からの呼び出し
     http://www.hou-nattoku.com/consult/291.php

 第4位 どうして男性だというだけで???
     http://www.hou-nattoku.com/consult/290.php

 第5位 「捨印」って、必要なの?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/275.php

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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。(04/04/21~04/04/27)

  4月22日 駐車違反(悪質)について (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/295.php

  4月26日 自動車事故、新車に代えてもらえないのはなぜ?
                     (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/296.php


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■ 編集後記
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  「伴侶のいる暮らし」

  K法科大学院のN・大先生を研究室にお訪ねしたときのこと。
  先生と私は(恐れ多くも)たまたま出身が同じ大学だったので、
 懐かしい学生時代の話になった。

 「僕はね、結核になって、…入学式にも出られず卒業式も欠席し
  てね、兵隊にとられても帰されて。合格してるのに修習所にも
  入れてもらえなかったんだよ。」

  日本人離れした長身で、今は本当にお元気そうでいらっしゃる
 のに、と言う私に、

 「みんなそう言うけどね、人生なんて本当にわからない。ひょっ
  としたら散歩に付き合ってくれる犬のおかげかなー。」

  そうですね、先生。持つべきものは、伴侶です。
                          (さつき)

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   支えられています。
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監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 片岡 全樹
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