「知らなきゃ損する!面白法律講座」第365号
http://www.hou-nattoku.com/
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□□ 知らなきゃ損する!面白法律講座 □□
週2回発行(月・木曜日)
2007年 9月25日 第365号
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発行部数: 24,374部(まぐまぐ 17,771部、melma! 6,437部、Yahoo! 166部)
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■ 目 次
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□ 法律クイズ 第39回
「殴ろうとした相手が避けて無関係の人が怪我をした!」
http://www.hou-nattoku.com/quiz/0068.php
□ なっとく! 法律相談 第355回
「2ヶ月で辞めた専門学校。前納した学費は一切返還されない?」
http://www.hou-nattoku.com/consult/633.php
□ 離婚法律コラム「離婚の前に決めること(第2版)」第20回
「ドメスティックバイオレンス(1)」
http://www.hou-nattoku.com/special/rikon/20.php
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■ 法律クイズ 第39回
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「殴ろうとした相手が避けて無関係の人が怪我をした!」
□問題□
いつもは仲の良いAとBが、言葉の行き違いから喧嘩となり、AがBに殴り
かかりました。ところが、Bがこれをうまくかわした結果、Aは、Bの後ろに
いたCを殴ってしまいました。この場合、Aの罪はどうなるでしょうか?
1. Cに対する過失暴行罪とBに対する暴行未遂罪
2. Cに対する暴行罪
3. 無罪
回答は、法納得どっとこむ
http://www.hou-nattoku.com/quiz/0068.php
を見よう。
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■ なっとく!法律相談 第355回
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「2ヶ月で辞めた専門学校。前納した学費は一切返還されない?」
□相談□
私は、今年の4月から2年間の理容・エステの専門学校に入校しました。
入学金・授業料・その他の教材費等として140万円くらい支払いました。
しかし、入学後2ヶ月で自分には向いてない世界だと感じました。そこで、
退学を決意し7月に申し出たところ、前納した1年分の授業料等の一切の返
還は認められないと学校側から言われました。一切の返還をあきらめなけ
ればいけないのでしょうか。
(10代:女性)
□回答□
あなたが専門学校の入学手続を完了した時点で、あなたと専門学校との
間で在学契約が成立します。その後、あなたが専門学校に対して在学契約
を解除の意思(退学の意思)を伝えたことによって、本件在学契約は解除
されます。在学契約が解除されると、同契約は将来に向かってその効力を
失うことになります(最判平成18年11月27日)。
では、入学後に在学契約を解除した場合、入学金や授業料・その他の教
材費等(以下、授業料等という)の返還を求めることができるのでしょう
か。
まず、入学金は、学生が学校に入学し得る地位を取得する対価として支
払う性質のものです。あなたは入学金を納付することによって専門学校に
入学し得る地位を取得した以上、その後に在学契約が解除されても、そも
そも専門学校は入学金の返還義務を負いません。したがって、あなたは、
専門学校に対して入学金の返還を求めることができません。
次に、授業料等は、在学契約の目的に従った教育役務の提供や施設利用
等の対価として支払う性質のものです。あなたは、退学時までは専門学校
から教育役務の提供を受け、同校の施設を利用しています。したがって、
あなたは、専門学校に対して退学以前の授業料等の返還を求めることがで
きないのは当然でしょう。
これに対して、退学以降、あなたは専門学校から教育役務の提供を受け
たり、同校の施設を利用することができなくなります。そこで、専門学校
に対して、法律上の根拠なくして退学以降の授業料等を不当に利得したと
してその返還を求めること(不当利得返還請求:民法703条)ができるので
しょうか。
専門学校が退学以降の授業料等の返還に応じないのは、いったん納入さ
れた学生納付金を返還しないという『不返還特約』を理由としていると考
えられます。この『不返還特約』が法律上無効であれば、専門学校は退学
以降の授業料等を法律上の根拠なくして不当に利得したといえます。この
場合には、あなたは退学以降の授業料等相当額を専門学校に対して返還請
求できることになります。
専門学校とあなたとの間の在学契約には、消費者契約法が適用されるこ
とになります。消費者契約法9条1 号は、消費者契約の解除に伴う損害賠
償額の予定又は違約金の定める条項について、同種の消費者契約の解除に
伴い事業者に生ずべき「平均的な損害」を超える部分を無効とすると規定
しています。授業料等の『不返還特約』は、在学契約の解除に伴う損害賠
償額の予定又は違約金の定めの性質のものと解されています(最判平成18
年11月27日)。したがって、退学以降の授業料相当額が理容・エステの専
門学校(事業者)に生ずべき「平均的な損害」を超えるといえる場合には、
退学以降の授業料相当額についての『不返還特約』は無効であり、あなた
(消費者)は、専門学校に対してその返還を求めることができます。
では、「平均的な損害」とはどのようなものを指すのでしょうか。
一般的に、学校は入学試験に合格しても入学手続前後に相当数の入学辞
退者が存在することを見込んで合格者を決定します。その合格者のうち、
「ほぼ確実に入学するであろう者」(入学することが客観的に高い蓋然性
[がいぜんせい]をもって予測される者)を予測し、どのくらいの収入があ
るかを計算して、当該年度の支出計画などの予算を策定し教育設備を整え
ていきます。予算は将来の一定の期間をもって策定されますから、途中で
変更することが非常に困難となります。「ほぼ確実に入学するであろう者」
が入学を辞退すると、学校は、当該年度の収入として予定していた本来納
付されるべき初年度の授業料等相当額の損害を受けることになります。し
たがって、初年度の授業料相当額が学校に生ずべき「平均的な損害」とな
ります。そして、これを超えない範囲での『不返還特約』は有効と判断さ
れます。「ほぼ確実に入学するであろう者」がどうかは、学校の年度開始
日が基準となります。例えば、学校の年度開始日が4月1日であれば、3 月
31日までに入学辞退をしない者が「ほぼ確実に入学するであろう者」とな
ります。
これに対して、3月31日より前に入学辞退の申出をしたときは「ほぼ確実
に入学するであろう者」と判断されず、その者が納付した授業料等は、学
校に生ずべき「平均的な損害」を超えるといえます。また、学校が2年分の
授業料等をまとめて前納させた場合には、初年度の授業料等を超える部分
が学校に生じた「平均的な損害」を超えるといえます。これらに対する
『不返還特約』は無効といえます。
あなたは、専門学校に初年度の授業料等のみを前納し2か月間通学してい
ます。あなたが在学契約を解除しても、授業料相当額は専門学校に生ずべ
き「平均的な損害」と判断されることになります。そうすると、あなたが
前納していた退学以降の授業料等に対する『不返還特約』は有効となりま
す。
したがって、あなたが専門学校に対して退学以降の授業料等の返還を求
めることは認められないと考えられます。
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■ コラム「離婚の前に決めること(第2版)」 第20回(全21回)
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「ドメスティックバイオレンス(1)」
配偶者暴力を受けた場合は、次の援助を警察に申し出て下さい。以下の
援助を受けることができます。
1. 被害を自ら防止するための、避難その他の措置の教示
2. 住所又は居所を知られないようにするための措置
3. 被害防止交渉を円滑に行うための措置
A.被害防止交渉を行う際の心構え、交渉方法その他の被害防止交渉に関
する事項についての助言
B.加害者に対する必要な事項の連絡
C.警察施設の利用
4. その他適当と認める援助
また、警察へ相談をしてから、地方裁判所に保護命令の申立てをするこ
ともできます。
1.接近禁止命令
6ヶ月間、被害者の住居や、その他の場所において被害者の身辺につきま
とうことの禁止。被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の
付近を徘徊することの禁止。
2.退去命令
2ヶ月間、被害者と共に生活の本拠としている住居からの退去。当該住居
の付近を徘徊することの禁止。
なお、警察への相談をしていない場合は、公証人面前宣誓供述書を公証
人役場で作成してから、地方裁判所に申し立てて下さい。
警察で相談をした場合は、公証人役場のように書面を渡してもらうこと
ができないですが、警察から地方裁判所に相談内容が直接にFAXされますか
ら、心配はいらないです。
次回は、地方裁判所での手続きについて解説します。次回のコラムで最
終回になります
執筆: 行政書士 夛治川 満之
http://tajikawa.hp.infoseek.co.jp/
※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません
※ このコラムは平成19年4月に執筆されたものです。
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