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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第182号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 6. 1                           第182号
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 発行部数:15,777部(まぐまぐ 13,793部、melma! 1,956部、Macky! 28部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第170回
     「携帯電話の共同使用」

  □ 【法人向け】消費者契約法と企業の対応 最終回

  □ 【法人向け】法務会計について 第5回

  □ なっとく! ランキング

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 編集後記 「美しい名前 (2)」


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■ なっとく!法律相談
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  第170回 「携帯電話の共同使用」

 □相談□

  一台の携帯電話を妹と使っています。名義は僕ですが、小遣い
 節約のため、使用料は折半にしています。ところが、最近、いろ
 いろなトラブルが起きてきました。
  見たことのないアドレスだったので開いてみたところ、妹宛の
 ものでした。僕は、誰からか確認しただけのつもりです。なのに、
 妹は「プライバシーの侵害だ」と主張し、「損害賠償として今月
 分の使用料を負担しろ」と言って聞かないのです。
  こんなことがプライバシーの侵害になるのですか?
                        (10代:男性)

 □回答□

  他人宛のメールを開封する行為は、原則として、プライバシー
 の侵害にあたります。たとえば人の携帯に送信されたメールを見
 たら、プライバシーを侵害したことになります。
  しかし、あなたと妹さんは、携帯電話について共同使用の合意
 をしているのですから、プライバシーは一定の限度で放棄された
 ものと考えられます。

  もちろん、共同使用だからといって、明らかに妹さん宛と分か
 るメールを開封するのは問題です。
  しかし、メールには開いてみないと名宛人も用件も分からない
 ものもあるのであって、共同使用形態を取っている以上、それを
 確認するのは法律上不当な行為とはいえません。2人の間で「名
 宛人不明のメールは開封しない」と取り決めていない限り、損害
 賠償を支払う義務はありません。

  法律的にいえば、携帯の共同使用は、あなたが所有して一部を
 妹さんに貸している(民法601条以下)、妹さんとの共有(249条
 以下)などが考えられます。それぞれの契約形態については典型
 契約として民法に規定がありますが、それと異なった取り決めを
 することも、もちろん自由です(契約自由の原則)。
  しかし、いずれにせよ、2人で使用するということ自体、モメ
 事に発展する可能性が高いのです。一方が紛失してしまったとか、
 使用料を払わなくなったとか、そういう場合どうするのか、2人
 で使うなら、あらかじめ決めておいたほうがよいと思います。
  なお、当事者間で取り決めをしても、原則として第三者には対
 抗できません。名義人であるあなたが、使用料支払い義務などの
 責任を負わなければなりません。

 [関連情報]
  ・携帯のメール・着歴を見られた!
       プライバシーは守られないの?(なっとく法律相談)
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  ・勝手にメールを読むと犯罪!?(なっとく法律相談)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/208.php

  ・プライベートなメールの流出を止めたい(なっとく法律相談)
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■ 【法人向け】消費者契約法と企業の対応 最終回
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           寺村総合法務事務所 行政書士 寺村 淳

  前回は、「契約交渉上の信義則」と消費者契約法における取消
 権制度への波及について見てきました。そして、その中で、内容
 から手続き保障型への転換と消費者の自立の要請があることも見
 てきました。
  今回で、最終回となりますが、前回の内容をもとに、企業とし
 て消費者取消権という制度に対してどのような考え方で対処して
 いくべきなのかについて、述べてみたいと思います。


 5.消費者契約法に対する企業の取り組み

 1)企業から見た評価

  前回のご説明の通り消費者取消権は、契約交渉上の信義誠実の
 義務の考え方をベースにしています。これを事業者・企業サイド
 から見てみると、どのようなことが言えるでしょうか。

  確かに消費者契約法の制定によって、消費者からの一方的な取
 消権行使の主張によって一方的に契約は取り消されてしまいます
 から、事業者としてはリスクを覚悟しなければならないと言えま
 す。
  そしてクーリングオフのように8日間ないし20日間という期間
 ではなく、取り消しうることを知ってから半年、又は契約締結か
 ら5年という長きにわたってそれを覚悟しなければならない、と
 いうのは、随分と大きなリスクを背負ったようにも思えます。

  しかし、前回見ましたように、契約当事者には、契約交渉途中
 での破棄などによって相手の信頼を裏切らないようにする義務や、
 情報格差があるような場合は「情報提供・助言義務」というもの
 が一般的に認められているのですから、たとえ消費者契約法がな
 くても、同じような主張はできるのであるから、あってもなくて
 も同じだということも(極論ではありますが)言えるように思い
 ます。

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  続きは「法、納得!どっとこむ」でご覧ください。
  http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/ccl/05.php
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  以上で「消費者契約法と企業の対応」についてを終了させてい
 ただきます。最後まで稚拙な文章にお付き合いをいただきまして、
 ありがとうございました。今後も研鑽を積み皆様のお役に立てる
 ような情報の提供に努めて参りたいと存じます。
                   行政書士 寺村 淳


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■ 【法人向け】法務会計について 第5回
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  「契約法務会計(プリンシパル・エージェント理論その1)」

             佐々木法務会計事務所 佐々木 賢一
             (行政書士・1級建設業経理事務士)

  今回は、多種ある契約法務会計技法のひとつを例示してみたい
 と思う。

  契約は法的理論だけではなく、経済学上の契約理論や、ゲーム
 理論、管理会計等を酷使し、法務会計学的なものとして捉え、設
 計するものである。
  新制度派経済学的アプローチによる、プロパティー・ライツ理
 論(所有権理論)は、『プロパティー・ライツという概念は、経
 済的問題と法的問題を分けて答えられない』ことを明らかにして
 いる。所有権移転を伴なう場合がほとんどである契約は、逆にい
 えばプロパティー・ライツに関する問題でもあり、契約において
 は、経済的問題と法的問題を分離することができないということ
 になる。
  以下で、契約設計の一助となるであろう、プリンシパル・エー
  ジェント理論について考えてみたい。

  プリンシパルとは、委任者あるいは契約設計者であり、仕事を
 遂行する受任者を、エージェントという。
  契約設計において重要となるのは、インセンティブ(誘因)で
 あるが、インセンティブには、報酬や給与以外に、名誉、昇進、
 同僚の目等色々なものがある。しかしながら、本能に訴えかける
 最大のものは、やはり『金』である。従って、このインセンティ
 ブについては、『金』を中心に考えるべきであろう。

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  続きは「法、納得!どっとこむ」でご覧ください。
  http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/legalaccounting/05.php
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■ なっとく!ランキング
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。         (04/05/23~04/05/29)

 第1位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/143.php

 第2位 「捨印」って、必要なの?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/275.php

 第3位 誠意を尽くしたのにわかってもらえない…
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/298.php

 第4位 ある日突然、事務所に監視カメラが!
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/300.php

 第5位 自動車事故、新車に代えてもらえないのはなぜ?
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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。(04/05/26~04/06/01)

  5月27日 とんでもない会社、どうにかならない?
                     (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/303.php

  5月28日 法務会計について (4) (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/legalaccounting/04.php

  5月28日 消費者契約法と企業の対応 (4) (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/ccl/04.php

  5月31日 名誉毀損になってしまうの? (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/304.php


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■ 編集後記
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  「美しい名前 (2)」

  京都の木屋町高瀬川から、歩いてほんのすぐのところに住んで
 いる。
  川の一帯は「五条楽園」という、小さな花街だ。ほとんど人気
 はない。
  古びた御茶屋、置屋などがならび、銭湯や飲食店が申し訳のよ
 うに点在する。繁華な河原町のすぐ裏にあることを、知らない人
 も多い。
  川っ淵には、ほんの1メートル足らずの植え込みがあって、近
 所の方々がそれぞれ草花を丹精しておられる。四季折々、花の絶
 えることがない。

  先日、美しい紫陽花を見た。お世話なさっておられる方に伺う
 と、「吉野の花火」というのだそうだ。白い花弁が夕闇をはじく
 さまはひっそりと咲く花火のよう。
  朝夕の散歩にはいつも、川の両側の、この寂れた花街を歩く。
                          (さつき)

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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 片岡 全樹
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