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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第183号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 6. 8                           第183号
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 発行部数:15,866部(まぐまぐ 13,890部、melma! 1,948部、Macky! 28部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第171回
     「月極駐車場を解約する場合、
           翌月の賃貸料まで払わなければいけないのか」

  □ 【法人向け】改正派遣法のポイント 第1回

  □ 【法人向け】法務会計について 最終回

  □ なっとく! ランキング

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 編集後記 「正しいナイフの使い方」


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■ なっとく!法律相談
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  第171回 「月極駐車場を解約する場合、
          翌月の賃貸料まで払わなければいけないのか」

 □相談□

  妻がアルバイトをすることになり、職場の近くに月極駐車場を
 借りました。
  ところが、バイト先が突然廃業となったため、借りる必要がな
 くなりましたので、すぐに大家さんに伝えました。すると、「言っ
 てなかったけど、解約するときは翌月分まで払ってもらうことに
 なってます。」と言うのです。
  契約書は受け取っていませんし、口頭でもそんなことは聞いて
 いません。また、その駐車場は空スペースが多く、予約待ちもな
 い状態で、解約しても大家さんに迷惑をかけることはないと思い
 ます。
  それでも、翌月の賃貸料まで払わなければいけないのでしょう
 か?
                        (30代:男性)

 □回答□

  駐車場を借りる契約は、民法上の賃貸借契約(601条以下)で
 す。
  時間決め駐車場の貸し借りのように、1回きりで終了すること
 もありますが、何ヶ月・何年にもわたる継続的契約であることも
 多く、法律上の問題を生じさせがちです。

  継続的な契約では、その契約関係が「今後も契約が続いていく
 だろう」という、お互いが契約の継続に寄せた信頼が重視されま
 す。
  たとえば、長年の取引関係では、形式的には1ヶ月単位で締め
 日を設けていたとしても、一方からの勝手な解約は信義則(1条2
 項)上許されない、と判断されることがあります。

  しかし、ご相談では、契約はまだ成立したばかりで、しかも契
 約の内容そのものが不明なままだったようです。契約の内容、特
 に「解約する場合は1ヶ月前に申し入れる」など、賃借人の負担
 となるような条項は、契約締結時に明確に示されなければなりま
 せん。
  事前の合意がなかったならば、たとえ突然の解約だったとして
 も、翌月の賃貸料を払う義務はありません。

 [関連情報]
  ・駐車場に置いた車に傷が!(事故一般)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/accident/damage4.php

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■ 【法人向け】改正派遣法のポイント 第1回
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           角野行政書士事務所 行政書士 角野 浩


  2003年6月6日、労働者派遣法の改正と職業安定法の改正が国会
 で成立、2004年3月1日から改正法の施行が開始されました。
  今回の改正は、過去数度にわたる両法の改正の歴史の中でも、
 エポックメーキングとも言える大きな改正です。特に厳しい雇用
 情勢、働き方の多様化に対応するため、派遣受入期間の延長、製
 造業務への労働者派遣の規制緩和等が図られています。
  まず、今回の労働者派遣法の改正のポイントは以下の通りです。

 ■ 2003年労働者派遣法改正の主要ポイント

  (1) 派遣期間制限が緩和され、派遣スタッフの受け入れ可能な
    期間が延長されます。

  (2) 派遣期間制限の緩和に対応して、派遣先による直接雇用の
    申込義務等が設けられます。

  (3) 派遣対象業務が拡大しました。

  (4) 紹介予定派遣で、派遣スタッフの受け入れ前の面接や履歴
    書の送付を求めることが可能になります。


 ■ 許可及び届出について

  派遣事業・有料職業紹介事業の許可が事業所単位から事業主単
 位になりました。

  ・一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の届出に
   ついて事業所単位から事業主単位に変更されました。
    → 支店開設は、届出制になりました。

  ・職業紹介事業の許可について事業所単位から事業主単位に変
   更されました。
    → 支店開設は、届出制になりました。

  今回は、4回にわたって今回の労働者派遣法の改正と職業安定
 法の改正についてのポイントをみていきます。
  連載第1回目は、(1)のポイントである派遣期間の緩和について
 みていきます。


 1.派遣期間の緩和

  ・「いわゆる26業種」の派遣期間が、派遣スタッフが望む限り
   無制限になります。
   事務用機器操作、ソフトプログラム開発など「いわゆる26業
   種」についてこれまで、最長1年を3回までの更新、すなわち
   3年までの期間の受け入れという運用がなされてきました。
   今回の改正では、これを撤廃、派遣スタッフが望む限り無制
   限となりました。

  ・26業種以外の販売、営業職の派遣期間が最長1年から最長3年
   までになります。(ただし、1年を超えて派遣スタッフを受
   け入れようとする場合、派遣先はその事業所の労働者の過半
   数代表者等へ受け入れ期間を通知し、意見聴取する義務があ
   ります。)

  ・育児・介護休業者の代替で派遣スタッフを受け入れる場合、
   復帰するまでの期間受け入れ可能になります。

  ・物の製造業務が解禁され、派遣期間は最長1年となります。

 (各業務別の派遣受入期間の改正については、ホームページ上で
  ご紹介いたします。別表)
  http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/dispatch/01.php

                           (続く)

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  角野 浩 プロフィール

   神戸市出身。1984年 関西大学法学部政治学科卒業。
   卒業後、1年間繊維関連の会社で営業職を経験。
   その後、宅建主任者、行政書士、公務員試験などの受験
   指導講師歴任。
   現在、角野行政書士事務所を開設し、労働者派遣事業、
   有料職業紹介事業許可申請手続きなど人材ビジネス支援
   の分野で、行政書士として活躍中。

   Homepage  http://www.kadono.org/


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■ 【法人向け】法務会計について 最終回
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  「契約法務会計(プリンシパル・エージェント理論その2)」

             佐々木法務会計事務所 佐々木 賢一
             (行政書士・1級建設業経理事務士)


  プリンシパル・エージェント理論を熟知している、あるいは経
 験で直感的に知っている者であるならば、以下のようにするであ
 ろう。

  ここで、『潜在購買能力』が、『低い=年間10億円』で固定し、
 『高い=年間20億円』で固定すると仮定する。

  (1) 潜在購買能力の低い地域のエージェントが、プリンシパル
    に購買能力が低い高いを正確に報告した場合、年間2億円
    の固定給と、売上(この場合、最大10億円であるので10億
    円と仮定する)の10%が歩合として与えられる。
      合計2億円+(10億円×0.1)=3億円

  (2) 潜在購買能力の高い地域のエージェントが、プリンシパル
    に購買能力が低い高いを正確に報告した場合、年間5千万
    円の固定給と、売上(この場合、最大20億円であるので20
    億円と仮定する)の20%が歩合として与えられる。
      合計5千万円+(20億円×0.2)=4億5千万円

  では、確認してみよう。低いのに高いとエージェントが、プリ
 ンシパルに報告すると、
    10億円×20%=2億円
    2億円+5千万円=2.5億円
 となり、(1)に比べて、5千万円の損となる。
  対して、高いのに低いとエージェントが、プリンシパルに報告
 すると、
    20億円×10%=2億円
    2億円+2億円=4億円
 となり、(2)に比べて、5千万円の損となる。

  以上より、いずれにしても、正確に報告しないとエージェント
 側で5千万円の損失が発生するわけである。従って、エージェン
 トは、プリンシパルに対して、ウソの報告は自発的にしなくなる
 というわけであるが、各地域の正確な潜在購買能力情報は、プリ
 ンシパルにとって、有用な経営戦略上の財産にもなるわけだから、
 この契約設計により、それが副産物として手に入るということに
 なると、まさに一石二鳥となるわけである。

  なお、代理店契約(フランチャイズ、特約店契約等)、委託販
 売契約、代理商契約等を設計する場合は、上記のような管理会計
 的な面だけではなく、企業活動に関する法規制とりわけ、独占禁
 止法に留意する必要がある。
  これらの契約の契約条項で、特に独占禁止法に抵触しやすいの
 が、「競業業者の商品の取扱い制限条項」・「テリトリー条項
 (出店場所についての制限)」・「再販価格条項」等である。ま
 た、商標の取扱い、秘密保持等商標法や不正競争防止法等知財法
 に関する法務管理も考慮にいれて一つの頭で、総合的な契約設計
 を行なう必要がある。そうでなければ、契約設計にコスト・時間
 がかかり、またつまらない、しかし、重大な瑕疵のある契約とな
 りやすいのである。
  法律に長けているが、経営や会計に疎い者が行なう契約設計に
 は、コスト面や収益面にて重大な瑕疵がある可能性があり、また
 経営会計には長けているが、法律に疎い者が行なう契約設計には、
 のちに損害賠償が請求されたり、契約解除されたりあるいは犯罪
 となってしまったするような契約となる可能性がある。法律にも
 会計にも長けていない者が行なう契約設計(実務上はこのパター
 ンが最も多いものと推測する)は、なにをかをいわんやである。
  当たり前過ぎることであるが、ビジネス契約設計者は法務会計
 家でなければいけない。

  この6回の連載でその一部を考察した、法務会計という新しい
 思考方法に関する研究は、まだ始まったばかりで、人々の認知を
 受けるに至ってないというのが正直なところである。今後さらに
 多くの方が、この思考に興味を持ち、もってさらなる進化を遂げ
 ることができたなら、多くの人々の福音となることは間違いない
 ものと考える。
  法務会計が今よりもさらに注目され、多くの優秀な方々の協力
 も求め、精緻化され、しっかりとした系統化がされることを祈念
 したいと思う。
                          (終わり)


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■ なっとく!ランキング
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。         (04/05/30~04/06/05)

 第1位 ついに来た!差し押さえ
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/268.php

 第2位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/143.php

 第3位 執行猶予(知っトク!法律用語の小道)
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/mame/yougo/yougo5.php

 第4位 とんでもない会社、どうにかならない?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/303.php

 第5位 「捨印」って、必要なの?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/275.php


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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。(04/06/02~04/06/08)

  6月 7日 作業後の値引き請求はできる? (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/306.php

  6月 4日 法務会計について (5) (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/legalaccounting/05.php

  6月 4日 消費者契約法と企業の対応 (5) (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/ccl/05.php

  6月 3日 携帯電話の共同使用 (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/305.php


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■ 編集後記
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  「正しいナイフの使い方」

  日頃、「こんなの必要なのか?」と疑問に感じるもののひとつ
 に、メディアに載る「識者の意見」がある。
  佐世保で起きた痛ましい事件の記事にも、こんなコメントが出
 ていた。
  曰く、「ナイフの使い方について、学校側の指導が疎かだった
 のではないか」。
  僕は、本編集部の他の記者たちとちがって、どうもうまくは表
 現できない。
  しかし、こんなことをいう人(某国立大学の教授先生!)が、
 最高教育機関たる大学で指導にあたられるというご時世では、子
 どもたちが多少おかしくなったってそれも仕方ないのかなぁ、と、
 つくづく思った次第なのだ。
  子どもは鏡だ。彼らを育てた大人、育った社会をそのままに映
 し出す。
  糺(ただ)されるべきは、私たち大人の生き方、在り方だ。決
 して、ナイフの使い方なんぞではないはずだ。
                         (ふくくん)

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監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 片岡 全樹
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